インタビュー
「チームラボ京都」が開業 50以上の没入型アートで、京都の駅前はどう変わる?(5/6 ページ)
京都駅から徒歩7分、住宅街の奥に国内最大級の体験型アート施設「チームラボ バイオヴォルテックス 京都」が開業した。光や音、香りに包まれ、50以上の日本未発表作品を五感で楽しめる没入型空間だ。
チームラボが語る京都への思い
京都で常設展示できることは、チームラボにとっても特別だった。2001年の創業以来、生み出した作品は京都の文化や芸術から影響を受けてきたからだ。
コミュニケーション・ディレクターの工藤岳氏は、「日本の美術、特に京都の美術は空間芸術であり、ふすまや屏風、庭園などの表現から多くを学んできた」と語る。
京都での常設展示は長年の目標だったが、作品の空間規模が拡大し、京都市内で最適な場所を見つけられずにいた。転機となったのが、2021年の公募だ(※)。普段は公募に手を挙げないチームラボも、今回のプロジェクトだけは違ったという。
(※)京都市は2021年、市有地活用事業の事業者を公募。チームラボは京阪ホールディングスなど関西企業とともに応募し、選定された。
京都は1200年以上にわたり、最先端の技術を取り入れ続けることで、進化してきた。「その連続性の一部を担いたい」と工藤氏は語る。
京都には、寺社仏閣や庭園など文化施設が数多い。しかし、歴史が深いゆえに、現代の視点からは理解しにくいものもある。
チームラボを見たあとに寺院を訪れる。あるいは屏風絵を見てからチームラボに来る。そうした行き来が生まれることで、京都の文化全体のつながりが見えてくる可能性がある。「京都で展開する意味があるとするなら、そういう存在でありたい」(工藤氏)
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