情シスはAI活用をどう見ている? 導入のハードルや懸念点を聞いた:ソフトクリエイトが調査
AI活用を情報システム部門(情シス)はどのように捉えているのか。総合ITサービスを提供するソフトクリエイト(東京都渋谷区)は調査を実施した。
AI活用を情報システム部門(情シス)はどのように捉えているのか。総合ITサービスを提供するソフトクリエイト(東京都渋谷区)は調査を実施した。AI導入・活用に何らかの形で関与している情シスの割合は、前年の約6割から8割弱へと大幅に増加。業務効率化や人材不足への対応を背景に、社内のAI活用ニーズが急速に高まっていることがうかがえる。
内訳を見ると、情シスが「導入から運用まで一元的に関与」が前年より4ポイント増、「技術的支援や選定、導入設定などに部分的に関与」が同8ポイント増と拡大している。AIを“現場任せ”にせず、情シスが主体的に関与するケースが増えていることが分かった。
一方で、AIを組織的に活用できている企業は依然として5%未満にとどまっており、全社的な運用体制の整備が課題となっているようだ。
情シスから見たAI活用のリスクとは?
導入フェーズ別に見ると、「安全な生成AIの導入」(28.9%)や「AIチャットの業務利用」(20.3%)など、基礎的な導入段階にある企業が多数を占めた。一方、「社内システムとのAI連携」はわずか3.6%にとどまり、システム統合やデータ活用の面で、高いハードルが存在することが浮き彫りとなった。
セキュリティー面での懸念も深刻化している。特に「学習データからの情報漏えい」に対する不安を持つ企業は7割を超えた。「知的財産権の侵害」や「コンプライアンス違反」への懸念も高まり、AI導入を検討するうえでセキュリティーリスクが大きな障壁となっていることがうかがえる。
ソフトクリエイトは「AIを安全かつ効果的に運用するためには、セキュリティーガイドラインの策定やAI製品選定時の基準見直しが急務」とコメントした。
調査は6月6〜20日、Webメディア「情シスレスキュー隊」のメルマガ購読者で自社のITシステム運用に関与する418人を対象に実施した。
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