コラム
なぜ、山手線には駅ナカ施設が少ないのか? 各駅を訪れて見えた、意外な戦略:鉄道の「雑学」(4/4 ページ)
多くの人々が利用する山手線。しかし、必ずしも駅ナカが充実していない駅も多い。それはなぜなのか?
駅の外に進出したブランド
渋谷駅は山手線の中でも特に規模が大きく、乗車人員も多い。
現在は大規模な再開発工事が進行中のため、駅ナカ施設が少ないのはやむを得ないと思っていた。ところが、駅に隣接する渋谷スクランブルスクエア1階に、JR東日本がecute EDITIONを出店していたのである。
同じフロアには東急グループの「TOKYU Foodshow EDGE」が並ぶ。東急の“牙城”ともいえるこの商業施設に、JR東日本が自社ブランドで進出していることに驚いた。エキナカとエキソトブランドの勢いが、駅の外にも広がっていることを実感した。
“駅ナカ”以外で勝負
今回、駅ナカ施設がない、あるいは充実していない山手線の各駅を訪れて感じたのは、駅ナカ施設を“作らない”のではなく、“作れない”ということだ。
それでもJR東日本は、駅に近い場所に施設を設けるなど、限られた環境の中で工夫を重ねている。
駅ナカを設けにくい制約の多い立地でも、利用者の利便性を高め、商業的な価値を生み出そうとする。そこには、鉄道会社としての枠を超えた、JR東日本の挑戦的な姿勢がうかがえた。
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