コラム
なぜ、山手線には駅ナカ施設が少ないのか? 各駅を訪れて見えた、意外な戦略:鉄道の「雑学」(3/4 ページ)
多くの人々が利用する山手線。しかし、必ずしも駅ナカが充実していない駅も多い。それはなぜなのか?
高架下をブランド化
山手線には高架下を持つ駅も多い。高架下は国鉄時代からさまざまな店舗に貸し出されてきたため、筆者は「今さら特別にブランド化することはないだろう」と考えていた。
しかし実際に各駅を巡ってみると、その認識は覆された。エキナカに加え、「エキソト」というブランドを掲げ、高架下の空間を積極的に商業施設として整備している駅があったのである。
新橋駅の高架下の一部では、「ecute EDITION」というブランド名で、エキナカとエキソトを一体として打ち出していた。現在は工事中の場所も多いが、今後さらに店舗が増える見込みだ。
有楽町駅の高架下もecute EDITIONとして展開されており、個性的な店舗が並ぶ。その1つが「荻野屋 弦」だ。群馬県にあるJR横川駅の駅弁「峠の釜めし」で知られる荻野屋の店舗で、昼は弁当を中心に、夜は気軽な居酒屋として営業している。
JR東日本は、エキナカだけでなくエキソトもブランド化し、改札外の高架下にも新たな価値を見出そうとしている。限られたスペースをブランドとして確立し、商業施設へと変えていく姿勢から、同社の積極的な取り組みがうかがえた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
“迷宮化”が進む新宿駅 人々がまともに歩けるのはいつなのか
行くたびに導線が変わるほど、長期間にわたって工事が行われている新宿駅。その完成はいつになる予定で、どんな姿になるのだろうか?
なぜ日暮里駅は“通過点”の印象が強いのか 1日25万人が利用する駅の静かな現実
複数の路線の接続駅であり、乗降人員も多い日暮里駅。しかし、駅ナカは小さく、利用者数の割には発展していない印象が強い。それは、なぜなのか?
山手線にも「起点」と「終点」がある 正しい“環状線”はどこに?
山手線は路線が輪の形になっている「環状線」だが、実は起点と終点がある。起点と終点が一緒で、ぐるぐると回る完璧な環状線はあるのだろうか。
山手線沿線の再開発が進む 「新宿、渋谷、品川」駅の工事はいつ終わるのか
鉄道会社も協力し、「東京」の世界的競争力を高めるべく、大規模な再開発が進んでいる。気になるエリアを実際に歩いてみた。
山手線の「発車メロディー」で、“企業の存在”を感じられる駅がある理由
JR山手線では、特徴的な発車メロディーを使用している駅がある。なぜそのような楽曲を採用しているのだろうか。
