銀座の寿司をシリコンバレーへ ECサイト支援企業がスタンフォード大とハッカソンを共催したワケ(2/2 ページ)
スタンフォード大学が、日本のECサイト支援企業GDXと「Sushi Hackathon」を共催した。優勝賞金は3万米ドル、最終審査進出者には東京・銀座の「鮨 あらい」の寿司を会場で振る舞った。狙いを共催企業GDXの洞田(ほらた)潤社長に聞いた。
「やろうと思えば何でもできる」 銀行員からCEOへ踏み出した決断
――銀行出身の人がいきなりCEOになるのは珍しいと思います。その時に迷いはなかったんですか。
実は1年間の引き継ぎ期間を経て、CFOからCEOになったのですが、私は基本的に「人間はやろうと思えば何でもできる」と思っているタイプです。CEOならCEOをやればいいし、CFOならCFOをやればいい。ただそれだけでした。もともと自分で事業を興すつもりでしたから、その延長線上の選択でした。
――当初やろうと考えていた事業はどのようなものだったのですか。
私の人生のポリシーは「人生100年残る仕事をする」なんです。自分が亡くなったあとも、100年ぐらい形が残るようなものを作れたら最高だなと今でも考えています。そのために特定の業種にはこだわらず、ただできるだけ早く成果が出る粗利の高い業態を選びたいと思っていました。メーカーのように何十年もかかる事業より、より即効性がある事業ですね。ITに強い関心もあったので、自然とその方向に舵を切りました。
――稼ぐ感覚という点では、洞田社長は昔から意識が高かったのでしょうか。
稼ぐこと自体は、方法を知りさえすれば難しくはないと思っています。ただ、その後いろいろな投資、事業をやりすぎて大変な時期もありました。結局、稼ぐよりも「どう使うか」「どう広げるか」を考えるほうがずっと難しいんです。
――洞田社長は実行力とネットワーキングの強さが印象的です。その背景には、やはり強力なメンターや出資者の存在もあるのでしょうか。
当社の株主には、丸亀製麺を展開するトリドールホールディングス粟田貴也社長や、ミダスキャピタルの吉村英毅さんなど、非常に面白い人たちがいます。彼らから常に刺激を受けつつ、逆に私からも刺激を与えるような関係が続いています。外食やファッションなど異業種の経営者が一緒に寿司を食べながら情報を交換する。そんな場から、次のビジネスの種が生まれると考えています。
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