社長が「会社を継がないか?」と社員に打診 断られた理由は?:社内承継に関する調査(2/2 ページ)
後継者不足に対応する手段の一つに「社内承継」がある。しかし、「会社を継いでくれ」という社長の打診を断るケースも少なくないようだ。どういう理由なのか?
周囲の反応は? サポートがあれば承諾したのか?
承継打診を受けた際の周囲の反応を尋ねたところ、家族からは「心配された」が37.7%で最も多く、社内幹部からは「後押しされた」が48.1%で最多となった。外部の知人、取引先、従業員については「打ち明けなかった」が多かった。
承継を辞退・保留とした判断に周囲の反応が影響したかを尋ねたところ、「影響があった」と回答した割合は、従業員が54.2%で最も高く、金融機関・取引先が48.6%、社内幹部が47.0%と続いた。自由回答としては「家族の後押しが強ければ、また金融機関からの支援がもう少しあれば踏み切った可能性があった」「専門家からの意見、リスクの可視化、リスクに見合った報酬など、処遇への保障がマスト」などが見られた。
実際、72.6%が「適切な支援があれば社内承継に前向きになれたと思う」と回答しており、求めていた支援を調査したところ、34.6%が「資金調達支援(承継資金や運営資金の確保)」を挙げた。
以降「承継プロセス情報提供(手順やスケジュールの明確化)」(32.5%)、「メンター制度(経営者や専門家による継続的な指導)」(29.9%)、「キャリア設計支援(後継者候補のキャリアプラン策定)」(23.4%)と続いた。
具体的にあればよかったと思う支援としては「自社の経営事情に即した経営コンサルタント」「承継を意識した権限の段階的移譲」などが挙げられた。制度や支援が後継者の意思決定を左右する可能性があることが分かった。
調査は社内承継の打診を辞退、または保留にした人を対象にインターネットで実施した。有効回答数は106件で、期間は9月29日〜10月3日。
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