セキュリティリスクの実態調査 認知と行動のズレが浮き彫りに:NordVPN調べ(1/2 ページ)
ビジネスパーソン1000人を対象に実施した「ビジネスパーソンの無意識な行動に潜むセキュリティリスクに関する調査」。認知と行動のズレが浮き彫りになった。
「セキュリティに自信がある」と回答したビジネスパーソンの約7割が危険な行動を取っている――。
VPNサービスプロバイダーのNordVPN(本社:オランダ)が、日本全国のビジネスパーソン1000人を対象に実施した「ビジネスパーソンの無意識な行動に潜むセキュリティリスクに関する調査」で明らかになった。
利便性の優先がリスクを生む 8つの行動シーンで調査
同社は、セキュリティリスクが潜む8つの行動シーン(生成AIの利用、公共Wi-Fiの利用、自宅Wi-Fiルーターのセキュリティ非設定、ブラウザの自動保存利用、個人クラウドへの業務データの保存、二要素認証(2FA/MFA)非設定、フィッシングメール、OSやアプリの未更新)について、「リスクを自覚しているかどうか」と「実際の行動傾向(1〜5段階で自己評価)」を調査した。
フィッシングメールのセキュリティリスクを知っていると回答した人のうち、リスク行動を取っている人は20代が17.0%と最も多かった。全体平均(10.2%)の約1.7倍と、他の年代と比べ高い数値を見せた。次いで、40代が10.7%、30代が9.8%となった。
個人クラウドに業務データを保存するリスクについても、20代(38.7%)が最多となり、30代(28.4%)、50代(22.6%)が続いた。不審なメールを開いてしまうと、個人情報の盗難や金融詐欺、マルウェア感染などの被害につながる危険性がある。
ブラウザの自動保存のリスクを知っていると回答した人のうち、自動保存機能を利用してしまう人は月間の残業時間が40時間(53.8%)の人が最も多かった。一方、残業40時間以内の層は約40%前後で、他層との差は目立たなかった。
また、公共Wi-Fiのリスクについて知っていると回答した人のうち、公共Wi-Fiで資料の確認や作業をしてしまう人は月間の残業時間が40時間の人が13.0%と全体平均(5.7%)の約2.3倍を示した。
ブラウザの自動保存はパスワードや銀行情報などが簡単に盗まれる恐れがあり、個人クラウドの業務利用も共有設定の不備やMFA未設定によって情報流出のリスクがある。
職種別に見ると、「企画・マーケティング職」では生成AIのリスクについて知っていると回答した人のうち、生成AIに業務情報や個人情報を入力している人は64.3%に達した。全体平均(29.7%)に比べ、約2.2倍と際立つ値となった。
「人事・労務職」では公共Wi-Fiのリスクについて知っていると回答した人のうち、公共Wi-Fiを利用している人は60.0%と、全体平均(44.4%)より12.7ポイント高かった。
また、生成AIの利用(40.0%)やブラウザの自動保存機能(53.3%)など、複数の項目で平均を大きく上回った。生成AIに機密情報を誤って入力すれば、ログに保存され外部漏洩(ろうえい)の危険が考えられる。
ブラウザやアプリの自動保存機能(Cookie/オートフィル)について、リスクを認識していると回答した人は34.6%だった。また、54.4%が危険と知りながら自動保存機能を利用していることが分かった。
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