インタビュー
森永の「板チョコアイス」はなぜ消え、なぜ売上倍増で帰ってきたのか?(5/5 ページ)
一度販売休止した森永の「板チョコアイス」が復活している。通年販売や限定フレーバー、コラボ戦略で認知拡大を果たし、直近5年で売上は2.4倍に。人気再燃の背景を探る。
さらなる認知度向上を目指す
売り上げは拡大傾向にあるが、同社はさらなる認知度向上を課題として位置付けている。
対策は、品質価値の訴求だ。2023年からは「板チョコちゃうねん、アイスやねん」をメインフレーズとしたテレビCMを展開。パキッとした食感と滑らかな口どけという独自の魅力を表現する「パキどけ」という新たなコピーも打ち出し、唯一無二の品質を伝える狙いだ。
「板チョコアイスを知らない、知ってはいるけど買ったことがない層はまだ多い。食べたいと思ってもらえる品質やコミュニケーションを展開していきたい」(谷山さん)
板チョコアイスは、販売休止も経験したブランドだが、過去最高の売り上げを達成した。「販売の通年化」「季節限定商品の展開」「プロモーション戦略」の組み合わせが成長を支えているが、根底には「板チョコらしさ」へのこだわりがある。
箱型パッケージの復活、チョコ比率の高さと独自配合、板チョコを想起させる形状を実現するなど、いずれも「板チョコアイス」としての存在感を明確にする取り組みだ。
森永製菓の板チョコアイスは、形状や味わいのこだわりを貫いてきた。この「板チョコらしさ」が、さらに新たなファンを生むことにつながるのだろうか。
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