ドンキでキャリーケースが売れるのは、なぜ? 夜に買う人の行動パターン:インタビュー劇場(不定期公演)(3/6 ページ)
ドン・キホーテのキャリーケースが好調だ。売り上げが伸びていて、直近の数字を見ると、年160億円ほど。その理由を取材すると……。
外国人観光客が購入している理由
土肥: 外国人観光客の数字(日本政府観光局のデータ)を見ると、2025年9月までの累計は3165万人で、過去最速で3000万人を突破しています。
街中を歩いていても、外国人観光客は増えたなあという印象がありますよね。ドンキの店内にもたくさんの外国人がいますが、なぜ彼らはわざわざ日本でキャリーケースを購入するのでしょうか?
竹内: 先ほど日本人の購買行動を紹介しましたが、外国人観光客にも「購入に至るまでの行動パターン」があります。彼らは日本に来ているので、日中は観光地などを巡り、とにかく歩き回ります。
夕方にはホテルに戻り、晩ご飯を食べて、一息つく。その後、帰国の準備を始めて、持ってきたキャリーケースに荷物を詰めていくと、どうしても収まらないことがある。観光地などでお土産を購入しているので、荷物が増えているんですよね。
そんなとき、彼らはどうするのか。時間は夜。ホテルの近くでキャリーケースを買えて、しかも免税手続きができるところがいい。ホテルのスタッフに聞く、またはスマホで検索した結果、多くの人がドンキにたどり着くのではないかと。
土肥: ふむふむ。確かに、日本人の購買行動とよく似ていますね。キャリーケースを買わなければいけない状況→気付いたときには夜→他の店は閉まっている→ドンキは開いているので近くの店に行く。
竹内: 免税手続きができる店の場合、キャリーケースが最も売れるのは夜の10時ごろ。その時間帯に渋谷の店に行くと、「ここは日本なの?」と思ってしまうほどにぎわっていますね。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
ドンキ「152円ビール」じわり人気 “地味過ぎる”見た目になった深いワケ
ドンキのPBビール「ド」シリーズがじわじわ売れている。モノクロのシンプルなデザインと1本152円の低価格で、若年層やライトユーザーを中心に支持を広げているようだ。
ドンキは本当に最強なのか? 地方スーパーが突きつける“一強多弱”の限界
国内外で快進撃を続けるドンキに異変か。圧倒的な現場主義で拡大を続ける一方、地方発スーパーが「超本社主義」で成長を遂げ、王者の牙城を脅かし始めている。
「JALとANA」どこで違いが生まれたのか? コロナ禍を乗り越えた空の現在地
インバウンド需要が旺盛で、日本の観光業界が盛り上がりを見せています。では、航空会社の業績はどうなっているのでしょうか。JALとANAの決算をベースに分析したところ……。
「イオンモール」10年後はどうなる? 空き店舗が増える中で、気になる「3つ」の新モール
かつて「街のにぎわいの中心地」ともいわれたイオンモールでも、近年は「安泰」ではない状況になっている。少子化が進む日本で大型ショッピングセンターが生き残る鍵は――。

