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相次ぐモバイルバッテリーの発火 粗悪品を抑え込めるか :アンカーも52万台自主回収(3/4 ページ)
リチウムイオン電池を内蔵したモバイルバッテリーが発火・発煙する事故が相次いでいる。背景の一つが、ネット通販を介した低品質な海外製品の普及だ。
リスクは常に
モバイルバッテリーは平成31年2月から電気用品安全法の規制対象となり、技術基準への適合を示す「PSマーク」の表示が義務付けられた。しかし近年はネット通販が拡大。オンラインモールを通じて消費者に直接販売することで、安全基準を満たさない粗悪な製品が出回っていた。
経産省はネットパトロールに加え、製品の安全性を確認する試買テストなどを実施してきたが限界もあった。価格を重視し、安全性に不備のある製品を選ぶ人も少なくない。
こうした状況を受け、政府は製品安全4法を改正。今年12月から、PSマークの表示義務がある海外製品を国内向けに販売する事業者に対し、日本国内の責任者となる「国内管理人」を置くことを義務付ける。また製品を日本の技術基準に適合させることを求めるほか、危険性がある製品について出品者がリコールなどの適切な措置を取らない場合、国が通販サイトの運営事業者に出品の取り消しを要請し、事実を公表する。
経産省は施行に向け、オンラインモールの運営事業者向けに説明会を開催するなどしている。しかし、海外事業者が改正法を守るかどうかは不透明で「(ネット通販が拡大する中、)完全に粗悪品を押さえ込めるかは分からない」(関係者)。
もっとも、PSマークがある製品でも使い方を誤れば発火・発煙リスクはある。「問題なく使用できたとしても、明らかに容量が減るなどした状況では使うのをやめた方がベターだ」と春田氏。消費者もリスクを認識し、細心の注意を払うことが必要だ。
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