食べ放題で「元を取ろう」とする客だけじゃない! 成長続ける「しゃぶ葉」が銀座に出店 “食のテーマパーク”が描く次の一手:長浜淳之介のトレンドアンテナ(3/4 ページ)
しゃぶ葉が銀座に初めてグローバル旗艦店を開店させたが、そこにある狙いとは?
インバウンドからの人気も急上昇
近年しゃぶ葉は、外国人観光客の間でも人気が急上昇しており、都内にある新宿や渋谷の店舗ではツアーの団体客を多く受け入れている。交通のアクセスが良く、街を歩く外国人が多い銀座は、グローバル旗艦店の出店に適した立地だと判断したのだろう。しゃぶ葉と同じフロアにある「くら寿司」のグローバル旗艦店が好調であることも、今回の出店を後押ししている。
しゃぶ葉の都心の店舗では、コロナ前は中国からの観光客が中心だったが、コロナ後は多様化している。イスラム圏からの観光客も増えており、豚肉を使わないメニューも選べるようにしている。また、ディナータイムにはまぐろやサーモンなどの握りずしが食べ放題となるコースもあり、外国人観光客から特に人気を集めている。
「自国ではラーメン1杯しか食べられないような値段で、これだけ楽しめるのは驚きだ」と話す旅行者も多く、コストパフォーマンスの高さが評価されているという。
しゃぶ葉のグローバル旗艦店の特徴は?
しゃぶ葉のグローバル旗艦店には、他の店舗にはない特徴がある。
まず挙げられるのは、和を強調した内装だ。コンセプトは“京町家料亭”で、瓦屋根風の外観や京染めののれん、黒と白を基調にした落ち着いたインテリアなど、日本文化を感じられる空間となっている。店内にはコイや梅の花をあしらった絵画や盆栽などが飾られており、日本らしさを演出している。
海外からの顧客に対応するため、日本語に加えて英語や中国語、韓国語のメニューを用意。英語や中国語が話せるスタッフも常駐し、いつでも対応できる体制を整えている。
メニューも通常店舗とは異なるラインアップとなっている。黒毛和牛食べ放題コース(平日ランチ3849円、平日ディナー4509円)や、生本ずわいがに食べ放題コース(平日ランチ1万2539円、平日ディナー1万3199円)をレギュラーメニューとして提供しており、特に黒毛和牛コースが人気だという。
サラダバーでは、外国人観光客が好むフライドポテトとチキンナゲットを同店限定で提供。アジア圏の顧客の味覚に合わせ、薬味BARには辛味や香味が強いサーチャージャンや塩だれ、フライドオニオンを追加した。
さらに、欧米の顧客に対応するため、飲み放題には人気が高い日本酒を充実させており、「作(ざく)」などの希少銘柄も楽しめるようにしているのが特徴だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
しゃぶしゃぶ業界に地殻変動 「しゃぶ葉」が「温野菜」を追い抜いた納得の理由
長くしゃぶしゃぶ業界のトップを走ってきた「しゃぶしゃぶ温野菜」だが、近年は業界2位に甘んじている。代わりにトップに立った、すかいらーくグループの「しゃぶ葉」。両チェーンの明暗は、どこで分かれたのか。
食べ放題の「残してしまう」問題、どう解決? 「しゃぶ葉」が始めたユニークな方法
しゃぶしゃぶ食べ放題のチェーン「しゃぶ葉」が、食品ロス削減のため、新しい方式を導入した。その背景や狙いについて、担当者に聞いた。




