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「声の権利」を守れ NTT西、音声AI事業で狙う1000億円市場 別所哲也、花江夏樹などパートナーに(1/2 ページ)

NTT西日本が、声優・俳優の権利を守るAI音声事業「VOICENCE」を開始。フェイク音声対策と正規ライセンス市場の整備で、声の価値を未来へつなぐ1000億円市場を目指す。

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 NTT西日本(大阪市)は10月27日、声優や俳優などの実演家の声の権利を守りつつ、声の価値を高める音声AI事業「VOICENCE(ヴォイセンス)」の開始を発表した。生成AIの急速な普及に伴い、声の無断利用やフェイク音声の拡散が社会問題化する中、NTT西日本は真正性を保証する独自のトラスト技術とAI音声合成を組み合わせた新プラットフォームを構築。10年後に1000億円規模のビジネス創出を目指す。


10月27日、都内で音声AI事業「VOICENCE(ヴォイセンス)」の開始を発表した(編集部撮影、以下同)

権利保護と活用を両立する新インフラ

 日本には「声の権利」を直接保護する法律や規定が存在しない。NTT西日本は、この課題を新たな事業機会と捉え、機動力を高めるため社内カンパニー「VOICENCE」を設置。法的整備を待たずに技術と仕組みで実演家の知的財産を守る体制を構築するとしている。


VOICENCE CEO花城高志氏

VOICENCEの役割

 事業の根幹となるのは、NTTの研究開発技術を応用した「トラスト技術」だ。

 これにより、実演家から提供された音源データ、生成されたAI音声モデル、そして制作されたAI音声コンテンツの一連の関連データを「音声IP」としてデジタル証明書(真生性証明データ)と共に管理。この証明データにより、不正な無断生成やフェイク音声と区別し、声の主が許諾したことを意味する「本物のAI音声」として、正規ライセンス市場の整備を推進する。


声の真正性証明書(イメージ)

 VOICENCEの花城高志CEOは「VOICENCEは『本物の声』と『本物のAI』が共存する世界を目指し、声の権利を守り、声の価値を未来へつないでいく」と意気込む。

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