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東横インの「47都道府県バッジ」が人気 富士山は静岡か山梨か、小さな争奪戦インタビュー劇場(不定期公演)(2/4 ページ)

東横インが発売した「ご当地GENKIバッジ」は、各都道府県の名物とホテルがデザインされた全52種のコレクション。コンプリートには47都道府県を巡る必要があり、SNSでも話題となっている。

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富士山は何県のものか

土肥: 全国の東横INNで、47都道府県を巡らないとコンプリートできない「ご当地GENKIバッジ」を発売しました。地域の名物とホテルがデザインされていて、例えば、東京は東京タワー、大阪はたこ焼き、山口はふぐが描かれている。

 フロントでは宿泊客以外にも販売していますが、いずれにしてもホテルに行かなければ購入できない仕組みですよね。コンプリートのハードルが高いなあと感じましたが、なぜこのようなバッジを企画したのでしょうか?

荻久保: 開発のきっかけは、2024年4月のこと。東横INNは46都道府県で展開していて、まだオープンしていないのは高知県だけ。高知県での開業が2026年2月に決まったことを受け、新聞広告を出しました。

 広告のデザイン案はいくつかあって、その中に「全国各地の名物とホテルの建物を組み合わせたデザイン」がありました。「新聞広告としては、少し用途が合わないかも」といった理由で採用は見送ったのですが、社員から「かわいい」「このまま使わないのはもったいない」などの声がありました。であれば、このデザインをバッジにするのはどうかといった話があったので、企画が動き始めました。

土肥: 北海道はカニ、栃木はイチゴ、鳥取はラクダといったデザインはどのようにして決めたのでしょうか?

荻久保: 「都道府県のモチーフは何にしますか?」というアンケートを社内で実施したところ、700件を超える案が集まりました。基本的には、各都道府県で1位に選ばれたデザインを採用したんですよね。例えば、秋田はなまはげ、青森はねぶたといった具合に。ただ、1位に同じデザインがランクインしたケースがありました。

 静岡県は富士山、山梨県も富士山――。よく「富士山はどちらの県のものか」という論争を耳にしますが、バッジの世界でも同じようなことが起きました。どちらも富士山にするわけにはいかないので、静岡はお茶摘み、山梨は赤ワインにしました。

 また、建物など許可が必要と思われるものについては、事前に申請しました。例えば、兵庫は姫路城。デザイン案をお送りしたところ、「天守の数が実際と異なる」という指摘を受けました。バッジは多くの人に親しみやすく見えるようにデフォルメしていましたが、正確性も重視し、指摘に従って修正しました。

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