東京の丸の内? それとも郊外? 金融界で働く人の住まいを地図で見る:データでわかる東京格差(2/3 ページ)
金融・保険業の事業所は、東京駅周辺に集中している。従業者はどこに住んでいるのか。
金融業界の人々はどこに住んでいる?
金融業・保険業で働く人たちの居住地は、大きく3つのエリアに集まっています。図6は総務省統計局「令和2年(2020年)国勢調査」の町丁目別データで、働く男性の中で「金融業・保険業」に就いている人の数と割合を表しています。
まず目に飛び込んでくるのが(1)都心・湾岸エリアです。金融系事業者の主要なオフィスが日本橋・大手町・丸の内に集中し、賃金水準も高いことから、職住近接を重視する人々は都心3区とその隣接地域に多く住んでいます。
特に千代田区の神田周辺、中央区の日本橋周辺、港区の六本木や麻布、三田周辺では、男性就業者に占める金融・保険業の割合が10〜20%に達する地域も珍しくありません。
二つ目の集積地は、目黒区・世田谷区から三鷹市・武蔵野市にかけての(2)武蔵野台地の南東部です。伝統的な高級住宅地だけでなく、2010年以降に大規模な分譲マンションが建てられた地域も「えんじ色」に塗られる傾向があります。
例えば、吉祥寺駅からバスで約10分、三鷹市下連雀5丁目(約12%)には、エリア最大級の分譲マンション「プラウドシティ吉祥寺」(678戸)をはじめ、大規模な分譲マンションやUR(都市再生機構)の大型賃貸マンションがあります。
また、都立小金井公園に近い武蔵野市桜堤2丁目(約10%)、都立蘆花恒春園(ろかこうしゅんえん)に近い世田谷区粕谷2丁目(約10%)なども似たような住環境を持っています。その他、銀行などの寮や借り上げ社宅が集中している地域もあります。
そして三つ目が、郊外に広がる(3)川崎・横浜市内の東急田園都市線沿線です。また、地図の範囲外になりますが、川崎市麻生区の新百合ヶ丘駅周辺、さいたま市の北浦和駅〜浦和駅〜南浦和駅周辺(特にJR線より西側)、浦安市の新浦安駅周辺にも7〜20%台の地域が広がっています。
いずれの街も、暮らしやすい住環境や充実した教育環境などから子育て世代の人気を集めています。
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