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“MATCHA戦争”勃発 世界を席巻する「緑の商戦」の裏側スピン経済の歩き方(1/8 ページ)

世界で激しい抹茶争奪戦が繰り広げられている中、「抹茶の原産国」をかけた日中の戦いも激化している。日本国内にも進出している「中国産抹茶」に対し、宇治抹茶のような日本ブランドはどう立ち向かっていくべきか。

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スピン経済の歩き方:

 日本ではあまり馴染みがないが、海外では政治家や企業が自分に有利な情報操作を行うことを「スピンコントロール」と呼ぶ。企業戦略には実はこの「スピン」という視点が欠かすことができない。

 本連載では、私たちが普段何気なく接している経済情報、企業のプロモーション、PRにいったいどのような狙いがあり、緻密な戦略があるのかという「スピン」をひも解いていきたい。

 「世界的ブーム」といわれて久しい「MATCHA」だが、その人気が高じて、ついに熾烈(しれつ)な争いが始まってしまった。

 10月22日付の米ロサンゼルス・タイムズ紙によると、ロサンゼルスのカフェの一部では、ドリンク1杯当たりの抹茶使用量を3倍に増やす、といった飲み方が広がっており、それが供給を逼迫(ひっぱく)させている。現地では抹茶の争奪戦が起き、価格も高騰しているという。


世界で抹茶がブームに(出典:ゲッティイメージズ)

 背景にあるのは、2025年産茶葉の不作だ。JETRO(日本貿易振興機構)のロサンゼルス発ビジネス短信(10月27日)によると、米国で抹茶を輸入・販売する日系事業者も既存顧客への供給が追いつかず、新規取引を断っている状況だという。

 海外で抹茶の価値がつり上がることは日本の生産者にとっては朗報ではないか、と思うだろうが、話はそう簡単ではない。この抹茶争奪戦の裏で、もうひとつの戦いも激化している。それは分かりやすくいえば、「抹茶の原産国」をかけた日中の争いである。

 日本の「抹茶」が世界的な人気を集める中、中国でも貴州省銅仁市が「抹茶の都」をうたい抹茶の生産量を増加して、輸出に力を入れている。

 そう聞くと愛国心あふれる方は「また中国のパクリか!」と怒りでどうにかなってしまうだろうが、この一件に関しては、そうとも言い難い。

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