1人で30枚購入する人も…… ワークマン、リカバリーウエア市場に“低価格”で殴り込み 後発から業界トップを狙えるか?:長浜淳之介のトレンドアンテナ(2/4 ページ)
ワークマンが低価格のリカバリーウエアを本格展開し始めた。後発組として業界トップを狙えるのか……?
予想をはるかに超えた手応え
「ワークマンは作業服を作り、需要のある商品を一般客向けに広げてきた。リカバリーウエアも、まさにそうした商品群だ。大々的に打ち出して在庫の山になることを心配していたが、実際は一瞬でなくなった」と、ワークマン専務取締役・土屋哲雄氏は笑みを浮かべた。
工場で生産された商品を店頭に出すや否や、飛ぶように売れ、予想をはるかに上回る売れ行きだったという。それだけ体に不安や不調を抱えており、寝ている間に少しでも和らげたいと考える人が多いことがうかがえる。
リカバリーウエア専門メーカーの商品は、品質こそ良いが、高額でなかなか手が出せない。自分で買うのをためらっていた“リカバリーウエア初心者”に、ワークマンの低価格が刺さった形だ。
1人で30枚ほど購入する人もいるそうで、「なぜそんなに多く購入するのか」と店員が尋ねると、「家族4人、1人ずつ1週間分買った」との答えが返ってきたという。
リカバリーウエアは、肌着の上から着用するとその効果が薄れるとされている。直接肌に着用するケースを想定しているため、肌着と同じ頻度で洗濯する必要がある。そのため、複数枚をまとめて購入する人が多いのだ。
「私自身も着用しているが、血行が良くなるのは確か」と、土屋専務もその効果を実感しているという。
作業服のユーザーは、機能に対して強いこだわりを持つ人が多い。そうした顧客のニーズに応えられるような品質に仕上げ、2021年春夏から販売を開始。2025年春夏までに累計170万枚を売り上げてきた。
同社の公式アンバサダーやインフルエンサーに試着してもらったところ、86%以上が「効果を実感した」と回答している。
リカバリーウエアはこれまで1万〜2万円の商品が主流で、贈答用として選ばれることも多かった。これに対し、ワークマンの場合は上下でそろえても3800円。「まずは試してみたい」という人でも購入しやすい価格帯となっている。
ワークマンのリカバリーウエアは、「MEDIHEAL(メディヒール)」のブランド名で展開。長袖シャツやロングパンツに加え、ルーム休足ソックスやブランケットまで、ラインアップは合計24アイテムに及ぶ。トレーナーやスウェットパンツなど、日常でも使えるアイテムもそろえている。
今後は、ユーザーのニーズを踏まえて、さらにアイテムを拡大する予定だ。
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