「デキる部下」はなぜ潰れる? 一斉指導だけでは危険な理由:デキる上司がデキる部下を潰す(3/4 ページ)
デキる部下は自ら高いモチベーションを維持できる一方、一斉指導や過剰な期待で心身を追い込みやすい。本稿では、デキる部下とデキていない部下に応じた指導法の違いや、疲弊を防ぎながら活躍を続けさせるポイントを解説する。
デキる社員が壊れず、潰れず、独立せずに活躍できる職場
一昔前まで日本では当たり前だった「終身雇用」「年功序列」。私も30年近く前に初めて転職した時は「こらえ性がない」「何でも長続きしない人間になるぞ」「もう普通の社会人には戻れなくなるけどその覚悟はあるのか」と言われ、15年前に独立した時も同様に、ほとんどの人に心配、反対されました。
しかし現在、私が仕事先でよく言われるのは、「私は新卒でこの会社に入って一社しか経験をしていないので、たとえ社内では実績があったとしても、世間的にその実績が通用するのか確証が持てず将来がとても不安です」というものです。
その場合、私は、「一社で長く働き続けること自体が才能です。私は一通り仕事ができてしまうとすぐに他のことに目がいってしまう人間でしたので」とお伝えして安心していただいた後に、具体的にその方の業務実績を拝見して、他社で通用するスキルを有しているか否かは事実ベースでお伝えしています。
そこで仮にその会社でしか通用しないスキルしかなかったとしても、その会社を辞めることなく定年までご活躍できればそれはそれでいいことです。実際にその人がさらなるスキルアップを求めて転職したり独立したりしても活躍できるかなど誰にもわかりませんし保障もできません。
今の環境が不満なら飛び出してもいいですが、満足しているなら「周囲が皆転職、独立してキャリアアップしているから、自分もそうする」必要はありません。むしろ今の会社にとどまり「デキる部下」、「デキる上司」とステップアップをし、今度は自分が「まだデキていない部下」を「デキる部下、デキる上司」へと育成していけば、その方のキャリアアップにつながり、会社の成長にもつながります。
デキる部下にとってのモチベーションダウンは「デキる上司の離脱」です。デキる部下はデキる上司を目標やロールモデルの一つとしていますから、その上司が転職、独立していったら、おのずと「上司にとってはこの会社は物足りなかったのかな」と認識し、「自分もいつまでもここに居てもいいのだろうか」と、それまでのモチベーションが揺らぎます。
そして後を追うようにデキる部下も早々に離脱してしまうことが起こると、デキる上司とデキる部下が持っていた売り上げや利益の数字がごっそり抜けて「数字が伸びかけたけど、またもとに戻った」という状態になってしまいます。
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