コラム
「西武の要」所沢駅は、なぜターミナルになりきれないのか(3/4 ページ)
規模が大きく、乗り降りする人たちも多いのに、なぜか「ターミナル駅」感がない所沢駅。それはなぜなのか。実際に足を運んで考えてみた。
所沢駅西口は西部の牙城
所沢駅西口には、西友所沢駅前店と西武所沢S.C.(旧西武百貨店)がある。どちらも、西武鉄道と同じグループに由来する企業だ。
西友は1960年代に西武線沿線を中心に出店を進め、現在でも沿線各地に多くの店舗を展開している。所沢駅からも、エスカレーターを下りればすぐの位置にある。
一方、西武所沢S.C.は所沢駅とペデストリアンデッキ(歩行者専用通路)で接続されている。無印良品やABCマート、ビックカメラなど、都心の百貨店と比べると、日用品を扱う店舗が目立つ。入居テナントの構成こそ異なるが、ポジションとしては京王電鉄・調布駅近くの「調布PARCO」に近い印象を受ける。
さらに、西武所沢S.C.の先には「エミテラス所沢」という大規模ショッピングモールがある。ペデストリアンデッキはエミテラス所沢まで伸びており、その2階に直結している。エミテラス所沢は、西武所沢車両工場の跡地を活用し、2024年9月に開業した複合商業施設で、映画館も併設している。
このように、かつて西武グループに属していた企業の施設や、西武グループが運営する商業施設が集まっているのが、所沢駅周辺の特徴だ。西武鉄道の“本拠地”らしさが、街の風景ににじみ出ている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
なぜ、山手線には駅ナカ施設が少ないのか? 各駅を訪れて見えた、意外な戦略
多くの人々が利用する山手線。しかし、必ずしも駅ナカが充実していない駅も多い。それはなぜなのか?
「東急沿線」はなぜ住みたい街に選ばれるの? ランキングで見る“暮らしやすさ”の秘密
「SUUMO住みたい街ランキング」ではJRの駅が上位を占めているが、私鉄という観点から見てみるとどんな結果となるのか?
“迷宮化”が進む新宿駅 人々がまともに歩けるのはいつなのか
行くたびに導線が変わるほど、長期間にわたって工事が行われている新宿駅。その完成はいつになる予定で、どんな姿になるのだろうか?
なぜ日暮里駅は“通過点”の印象が強いのか 1日25万人が利用する駅の静かな現実
複数の路線の接続駅であり、乗降人員も多い日暮里駅。しかし、駅ナカは小さく、利用者数の割には発展していない印象が強い。それは、なぜなのか?
混雑率199%の衝撃 東京メトロ東西線はなぜ「すいている時間がない」のか
東京メトロ東西線は、かなり混雑する路線として知られている。その理由は、一体何なのか……。

