コラム
住信SBI、ランク制度大改定 勝者と敗者がくっきり分かれるワケ(4/4 ページ)
住信SBIネット銀行が2026年5月に「スマートプログラム」を大改定する。クレカ・アプリ利用者は優遇縮小、一方給与受取層はメリット拡大。銀行は顧客選別を進め、収益性重視の経営にかじを切ったようだ。
改悪か改善か
結局のところ、この改定は改悪なのか改善なのか。
答えはシンプルだ。ユーザーの使い方次第である。カードを持っているだけで特典を享受していた層には、明確な改悪。アプリだけで気軽に使っていたサブバンク層にも、ハードルが上がった。他方、給与受取や口座振替で使う層には、むしろ条件が緩和された面もある。
銀行側の視点に立てば、これは「選別」だ。低収益な顧客に別れを告げ、高収益な顧客を囲い込む。ドコモ傘下での収益性重視の経営判断である。銀行だって慈善事業ではない。そう考えれば、この改定は極めて合理的だ。
2026年5月の施行まで、まだ半年ある。ユーザーは使い方を見直し、住信SBIを使い続けるか、別の銀行に乗り換えるか――。選択の時間は十分に与えられている。
ユーザーの行動次第で評価は分かれるが、銀行側にとっては、顧客行動を見直す絶好の機会だ。改定は、顧客との関係を再設計する“テストケース”ともいえる。
筆者プロフィール:斎藤健二
金融・Fintechジャーナリスト。2000年よりWebメディア運営に従事し、アイティメディア社にて複数媒体の創刊編集長を務めたほか、ビジネスメディアやねとらぼなどの創刊に携わる。2023年に独立し、ネット証券やネット銀行、仮想通貨業界などのネット金融のほか、Fintech業界の取材を続けている。
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