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シウマイ弁当の名脇役「ひょうちゃん」、崎陽軒の知られざるキャラクター活用術(4/4 ページ)

崎陽軒の看板キャラクター「ひょうちゃん」の活躍の場が増えている。自社でのキャンペーンやグッズ展開だけでなく、多数のコラボ依頼が舞い込む人気ぶり。今年生誕70周年を迎えたひょうちゃんは、どんな成果を生んでいるのか。

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コラボも続々、横浜を盛り上げる

 ひょうちゃんは、自社での使用のみならず、外部とのコラボレーションでも活躍している。例えば「横浜F・マリノス」と、tvk(テレビ神奈川)の番組「キックオフF・マリノス」とのコラボでは、2016年から毎年、「応援弁当」を販売(コロナ禍の期間を除く)。弁当に入っているしょうゆ入れは「トリコロールひょうちゃん」と呼ばれ、マリノスのシンボルカラーである「赤」「白」「青」が使われている。


「横浜F・マリノス」とは、2016年から長くコラボしている(崎陽軒提供、以下同)

弁当の中には「トリコロールひょうちゃん」が入っている

 ひょうちゃんのお腹にはユニフォームがデザインされ、その中に選手が手書きした数字を印刷。日産スタジアム崎陽軒催事店舗で、マリノスの試合がある日に限定販売している。

 また、神奈川県警とのコラボも今年で4度目となる。製品のパッケージやしょうゆ入れに特別デザインのひょうちゃんを使用するもので、今年は急増している“国際電話を使った特殊詐欺”への防犯意識を高める目的で実施した。


神奈川県警とのコラボでは「ポリスひょうちゃん」に変身

 パッケージに警察官姿のひょうちゃんがデザインされているほか、「昔ながらのシウマイ 15個入」のしょうゆ入れには、旭日章やパトカー、警察犬などをデザインした「ポリスひょうちゃん」が描かれている。

 「コラボの判断基準は、地元・横浜を盛り上げる施策であること。加えて、防犯など公益に関わるような活動であることです。 警察のほか横浜市消防局や海上保安庁とのコラボも実績があります。こうした施策では、当社以外の場所に関連ポスターが掲示されることもあり、普段は当社に接しない層への情報提供や認知拡大につながることもメリットだと考えています」

 ひょうちゃんの使用料においては、「お互いにコラボのメリットがある」として発生しないケースが多いが、使用料が支払われる契約形態もあるそうだ。


近年は遊び心のあるグッズを積極的に展開している(写真は「昔ながらのシウマイブランケット」)

 近年、崎陽軒ではひょうちゃんグッズのみならず、遊び心のある「シウマイ弁当ダウンマフラー」(2700円)や「昔ながらのシウマイブランケット」(3500円)などのグッズも展開している。「昔ながらの変わらないシウマイの味と品質を守りつつ、時代の変化への対応策として、ひょうちゃんの活用を含めた新戦略に注力している」と高井氏は話した。広報宣伝部長として、ひょうちゃんは、まだまだ活躍の場を広げていきそうだ。

著者プロフィール:小林香織

 1981年生まれ。フリーランスライター・PRとして、「ビジネストレンド」「国内外のイノベーション」「海外文化」を追う。一般社団法人 日本デジタルライターズ協会会員。エンタメ業界で約10年の勤務後、自由なライフスタイルに憧れ、2016年にOLからフリーライターへ転身。その後、東南アジアへの短期移住や2020年〜約2年間の北欧移住(デンマーク・フィンランド)を経験。現地でもイノベーション、文化、教育を取材・執筆する。2022年3月〜は東京拠点。

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