インタビュー
広告費ゼロでも人気の理由は? 上空100メートルから“教科書の古墳”を眺めるバルーン観光:この発想はなかった(3/4 ページ)
大阪・堺市で世界遺産「仁徳天皇陵古墳」を上空から眺めるバルーン観光が好調だ。運行開始から予約が埋まり続け、平日でも行列ができる人気の背景を探った。
「見る手段がなかった」課題を解決
好調の要因は、教科書でもおなじみの世界最大級の墳墓を上空から全体を見渡せることだ。
さらに、国内でヘリウムガス気球が飛ぶのは、樋口氏によると沖縄のテーマパーク「ジャングリア」と「おおさか堺バルーン」だけだという。希少性に加え、巨大な白い球体はひときわ目を引き、SNSでの拡散が広がっている。
「広告費はほとんどかけていない。口コミとメディア報道だけで広がっている」と樋口氏は語る。来場者の居住地を見ると、堺市民が約45%を占めるが、大阪府内(堺市外)が約29%、近畿圏が約15%と、近隣エリアからの集客に広がりを見せている。
利用者からは「生きているうちに見たかった」「想像以上に良かった」といった声が寄せられ、Googleの口コミは200件近くに達し、リピーターも出始めている。
筆者も試乗したが、離着陸時の揺れはわずかで、上空では安定している。気球は飛行中に位置を変えるため、古墳を中心に堺市の景観を多角的に観察できる。天候次第では、大阪・関西万博の大屋根リングも視認可能だ(11月19日現在)。
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