出版不況なのに「パズル雑誌」はなぜ売れる? 1000万部超の発行部数を支える「差別化戦略」(1/3 ページ)
マガジン・マガジンが発刊する「パズル雑誌」が人気だ。長らく続く出版不況の中でなぜか? そこには60タイトル発刊する同社の「差別化戦略」があった。
紙の雑誌が売れにくい時代に突入して約20年が経つが、その中でパズル雑誌は堅調に発行部数を伸ばしている。
「パズル雑誌発行部数No.1」とうたうのは、現在60種類のタイトルを発行するマガジン・マガジン(東京都新宿区)だ。「クロスワード」「漢字パズル」「ナンプレ」「間違い探し」など、さまざまなパズル雑誌を展開している。
2024年の総発行部数は1067万部。1991年に創刊した『クロスワードメイト』が同社初のパズル雑誌であり、2026年に創刊35年を迎える。
パズル雑誌発行部数No.1をうたうマガジン・マガジンに話を聞いた。パズルメイト編集部 総局長 安原美能留氏(左)、マガジン・マガジン代表取締役社長 内田恭太氏(中央)、パズルメイト編集部 編集長 園田敦史氏(右)
ここ数年のパズル雑誌人気は基本的に右肩上がりだが、伸び率が高まる転機もあったという。
同社代表取締役社長の内田恭太氏は「最初のきっかけは2000年代初頭の脳活ブームです。当社でも数字をヒントにマスを塗りつぶして絵を描く『ロジック系』が大人気となり、その相乗効果で他のパズル雑誌の売り上げも伸びました。最近ではコロナ禍における巣ごもり需要も新規読者獲得の追い風となりました。従来のメーン読者である50〜70代に加え、若年層の新規読者獲得にもつながりました」と話す。
60タイトルの中で最も売れているのは、2016年創刊の『文字の大きなクロスワード』と『文字の大きなクロスワードEX』だ。読者のボリューム層を占めるシニアのニーズに応えるため、文字と雑誌の縦サイズを大きくした。もちろん中身にもこだわり、本文の書体や問題の種類など、同社のノウハウを注ぎ込んだ結果、パズルジャンルでのヒット作に成長した。
パズル雑誌業界でもトレンドの移り変わりはあるものの、「文字が大きい」ジャンルは今でも根強い人気を誇っており、各出版社も発刊している。最近では「医師監修で注意力や記憶力など認知機能アップにつながる問題を集めた“脳活”をうたう本や、従来のパズル雑誌に『マッチ棒パズル』や『あるなしクイズ』などの要素を盛り込んだ本も出てきています」(パズルメイト編集部 総局長 安原美能留氏)という。
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