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出版不況なのに「パズル雑誌」はなぜ売れる? 1000万部超の発行部数を支える「差別化戦略」(3/3 ページ)

マガジン・マガジンが発刊する「パズル雑誌」が人気だ。長らく続く出版不況の中でなぜか? そこには60タイトル発刊する同社の「差別化戦略」があった。

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価格戦略で支える、安定成長

 価格も読者が買い続けられる水準に設定している。最も安価な『漢字メイト』は470円で、一番高い『ひらめく!てんつなぎ』でも730円となっている。一般的な雑誌と比べても安価だ。

 安原氏は「可処分所得がそこまで高くない層がターゲットとなっているため、価格もスケールメリットを生かして維持しています」と説明する。

 発行ペースも月刊ではない。月刊で発行しているのは2誌のみで、それ以外は隔月、偶数月、奇数月、半年とさまざまだ。例えば、漢字パズルのジャンルで最も売れている『漢字大満足100問』は問題数100問で1、4、7、10月発売の季刊。一方、『クロスワードメイト』と並ぶ老舗の『漢字道』は問題数65問程度で隔月刊だ。


雑誌によって発行ペースも異なる。1991年に創刊した最初のパズル雑誌『クロスワードメイト』(左)、『クロスワードメイト』に並ぶ老舗雑誌の『漢字大満足100問』(右)

 多くの読者は全問を解くことに満足感を覚えるため、月に30〜40問の平均ペースでは、60〜80問を解くのに2カ月、100問だと3カ月かかる。問題数と発行ペースのバランスが重要で、単に問題数を増やせば満足度が上がるわけではないという。

絶好調に見えるが、課題も

 読者から厚い支持を受けるマガジン・マガジンだが、課題もある。読者層の拡大だ。

 読者層は時代とともに変化しており、以前はパズルをやり込む若いマニア層も比較的多かったが、現在は50〜70代の女性が約70%を占める。「娯楽の中心がスマホである若年層に向けたアプローチも検討しています。懸賞企画はスマホからも応募できますが、それだけでは不十分で、付加価値を付ける方法を模索しています」(園田氏)という。


現在の読者は50〜70代女性が多いという

 昨今の謎解きブームで、関連するゲームや書籍の人気が過熱している。広い意味ではナンプレやクロスワードも謎解きの一種だが、誰もが気軽に楽しめる一方で、あまりに定番化しているため、ブームの中心からはやや外れているようにも見えてしまう。

 だからこそ、雑誌とともに読者の年齢が上がっていく中で、いかに新たな層を取り込めるかが問われている。従来読者の満足度を維持しつつ、新規読者をどう開拓するか――その挑戦が、パズル雑誌市場の今後10年を左右しそうだ。

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