3500万人が使う「モバイルSuica・PASMO」にバーコード決済導入 複雑化するキャッシュレスに一手(2/2 ページ)
JR東日本は、2026年秋にモバイルSuicaへコード決済「teppay」を導入し、2027年春にはモバイルPASMOにも展開すると発表した。両サービス間の相互送金など利便性向上を図る。
パスモとの連携を重視した背景は?
JR東日本はパスモと提携し、モバイルSuicaとモバイルPASMOの間で残高を相互に送受金できるようにする。
当初はモバイルSuicaのみでの提供を検討していたが、東日本エリアでは生活圏に応じてSuicaとPASMOが使い分けられ、家庭内でも異なるサービスを利用しているケースがあるという。こうした実態を踏まえ、JR東日本は利便性向上のためにパスモとの連携を働きかけ、今回の実現につなげた。
マーケティング本部、Suica決済システム部門の髙松奈帆人氏は「Suicaはお子さまからお年寄りまでユニバーサル(幅広い世代)にご利用いただけることにこだわってきた。パスモと一緒にサービスを提供することがお客さまの利便性向上のために大切」と説明。
パスモの町田武士社長も「PASMOとSuicaで別々でコード決済を作っていくのではなく、同じものを提供することで分かりやすさ、便利さを提供できると考えた。別々にコード決済を構築するよりも、共通のプラットフォームを採用することで経済的合理性も高くなる」と語った。
モバイルSuicaとモバイルPASMOの利用者は合計3500万人以上に上る。また、サービス開始時点のteppay利用可能店舗は約160万カ所で、今後さらに拡大する方針だ。
JR東日本の中川氏は「今回、Suica・PASMOをまたいだ利便性を確保でき、大変心強く感じている。サービス開始までの1年で、より多くの方に喜んでいただけるようサービス実現に向けて取り組んでいく」と意気込んだ。
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