インタビュー
「象印食堂」好調の秘密は? 炊飯器が生んだ“体験型マーケ”がぐっと効いている(4/5 ページ)
2100円のランチでも月商3500万円を記録する象印食堂。炊飯器「炎舞炊き」の力でご飯の味を追求し、前年比120%の売り上げを達成した人気の理由と運営の工夫を紹介する。
食堂以外にも飲食業態を展開
象印食堂は当初、健康意識の高い30代以上の働く女性をターゲットにしていたが、オープン後は50〜60代の女性客が9割を占めた。コロナ禍を経て若い層も増え、2025年は大阪・関西万博の影響で客足がさらに伸びた。万博は閉幕したが、新米の時期である10月以降も好調を維持している。
背景には、SNSでの拡散がある。来店客の投稿が話題になり、新規顧客の獲得につながっている。最近では、米不足が深刻化する中でおかわり自由を続けていることも注目された。おかわりを有料化する店もあるが、象印食堂は今後も継続する方針だ。
また、象印は食堂以外にも飲食業態を展開している。2021年には新大阪駅に弁当専門店「象印銀白弁当」、2022年には阪神梅田本店におにぎり専門店「象印銀白おにぎり」をオープン。いずれも、月商1000万円超と好調だ。
飲食事業の売り上げは全体の1%未満だが、炊飯器販売にもつながっているようだ。「おいしかったから電気屋に見に行った」「実際に買った」という声が客から寄せられており、体験型マーケティングとしての効果を実感している。
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