コラム
「アサヒとキリン」どこで差がついたのか? 数字が語る両社の選択:サイバー攻撃の影響(1/6 ページ)
アサヒとキリンは、どこで差がついたのか? 財務や事業戦略の数字から成長の分かれ目を分析。海外展開や多角化、国内ブランド戦略の違いから、今後の競争の行方を読み解く。
草刈貴弘氏のコラムについて:
企業を取り巻く環境は、グローバル化やデジタル化、消費者の価値観の変化など、さまざまな要因によって日々変化している。業績の数字だけでなく、その背後にある経営の工夫や市場構造の変化に目を向けることが重要だ。本コラムでは、注目企業の動向を多角的にとらえながら、現代ビジネスの本質や今後のヒントを分かりやすく伝えていく。
アサヒグループホールディングス(以下、アサヒ)がランサムウエア(身代金要求型ウイルス)攻撃を受け、ビールなどの出荷に支障が生じました。
この影響は他社にも及びました。アサヒに代わる商品として注文が急増したため、自社主力商品の安定供給を優先。一部商品を出荷停止に踏み切る企業も出たほどです。
かつて圧倒的首位だったキリンホールディングス(以下、キリン)を追い抜き、国内ビールシェア1位を獲得したアサヒ。アサヒがキリンを抜いて約30年。キリンは一度もトップの座を奪還できていないどころか、両社の売上高や連結総資産額には大きな差が広がっています。
そんな中で発生した、今回のアサヒへのサイバー攻撃。
本記事では、アサヒとキリンの財務諸表や事業展開から、なぜアサヒが躍進したのかを振り返りつつ、今回のサイバー攻撃によってこの構図が変わる可能性について考察します。
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