ローソン「高級ハイボール」が好調 1缶600円でも売れているワケ:“好きの深さ”が大事(1/5 ページ)
ローソンが販売する「高級ハイボール」が売れている。発売のきっかけや主なラインアップ、同社が考えるヒットの要因を担当者に聞いた。
ローソンが販売する「高級ハイボール」が売れている。1缶300〜600円台と高価格帯ながら、発売初週の売り上げは通常価格のウイスキーハイボール缶新商品と比べて約3倍に達し、好調なスタートを切った。缶だけでなく、同じ銘柄のボトル商品の売り上げも伸びている。
最近では、新商品発売日に売り切れる前に購入しようと、店舗を訪れる熱心なファンも増えている。そもそも、ローソンはなぜ高級ハイボールの販売を始めたのだろうか。これまでの主なラインアップや、ヒットの理由について、酒開発担当の倉光雄志さんに話を聞いた。
高級銘柄をハイボール缶でお試し
ローソンが同社限定の高級ハイボール缶を初めて発売したのは2024年で、発売のきっかけは主に3つだった。
1つめは、2023年6月に数量限定で発売した「サントリープレミアムハイボール〈白州〉350ml缶」の登場だ。サントリーウイスキーの100周年を記念して発売された商品で、ローソン限定ではないものの、350mlで600円という高価格にもかかわらずヒットした。倉光さんによると「それまで200円台がハードルとされていたハイボール缶に、高付加価値を付けることで、高価格でも購入しやすくなったのではないか」という。
2つめは、ウイスキーならではの飲み方に着目したことだ。バーなどでウイスキー通が選ぶような高級銘柄は、ボトルで販売されていることが多い。興味はあっても、「ボトルは高価で飲みきれない、失敗したくない」という意識が働き、結果としていつものお酒を選び、多くの銘柄を試せない人もいる。そこで、ハイボール缶にすることで、新たなウイスキー銘柄を気軽に体験できるきっかけになると考えた。
3つめは、酒開発担当である倉光さん自身の体験に基づくものだ。担当になる前は、ハイボールといえば角ハイボールのイメージが強かった。しかし、さまざまなウイスキーを知るうちに、その日の気分に合わせて銘柄を選ぶ楽しさに気付き、現在の開発にも生かしているという。缶で気軽にさまざまな種類のハイボールを試せるようにすることで、誰もが自分に合った銘柄に出会うきっかけを提供したいと考えている。
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