ドンキの巨大歯ブラシ「1年で27.4時間の節約」 1カ月で1万本売れた背景とは
ドン・キホーテのPB「ド情熱 タイパ歯ブラシ」が発売1カ月で1万本を販売。人気の背景を広報担当者に聞いた。
ドン・キホーテのPB「ド情熱 タイパ歯ブラシ」(以下タイパ歯ブラシ、329円)が好調だ。同社通常品と比べてヘッドが2倍長く、磨く時間を短縮できる点が特徴である。広報担当者に支持される背景を聞いた。
タイパ歯ブラシは、9月の発売から1カ月で約1万本を販売した。同社の「情熱価格ラバー歯ブラシ」と比べてヘッドが2倍長く、同時に4〜5本の歯を磨けるという。1回3分の歯磨きを1日3回行う場合、年間で27.4時間節約できる計算だ。
担当者によると、若者の間で入浴回数を減らす「風呂キャンセル界隈」が広がる中、アウトバス市場(浴室外で使用するケア用品の関連市場)が伸びてきているという。タイパ歯ブラシは、若い女性だけでなく、その見た目のインパクトから外国人観光客にも人気だ。
ドンキ公式レビューサイト「マジボイス」では、タイパ歯ブラシについて「柔らかめな毛で歯茎がマッサージできて気持ちいい」「歯磨き粉の泡立ちが良くなって、もこもこの泡で歯磨きができる」といった好評の声が寄せられた。ただし「歯の内側が磨きにくい」といった声もある。
開発背景について担当者は「韓国の女性の間で、時短のために大きな歯ブラシが人気」と説明する。歯磨き粉や歯ブラシなどを展開する韓国ブランド「EUTHYMOL」(ユーシモール)の美白歯磨き粉の売り上げが好調なことに加え、同ブランドが大きめの歯ブラシを展開している点に注目。ドン・キホーテも大きな歯ブラシの開発に踏み切った。
歯ブラシのカラーは緑や黒などの3色展開で、蛍光色のような派手な色は避けた。開発段階で「口の中に入れるものだから派手でない方がよい」といった意見があったためで、実際に最もシンプルな黒が一番売れているそうだ。
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