閉園後の遊園地が出会いの舞台に? 4000人が熱狂する「大合コン」の裏側:インタビュー劇場(不定期公演)(2/6 ページ)
閉園後の遊園地に、若い男女が数千人も集まる「夜の合コン」が全国で広がっている。富山発のイベントが、なぜここまで人気になったのか。その仕組みや集客の秘密を取材したところ……。
500人が集まった
土肥: 遊園地の閉園後に、若い男女が集まって合コンを開催している――。このことを知人に話したところ「えっ、そんなことをやっているの? 知らなかった」「オレ(40代)が若いころにやってくれたら、絶対に参加していた!」といった声がありましたが、そもそもどういったきっかけで始めたのでしょうか?
深川: いまから15年ほど前、街コンが流行っていました。地域の飲食店を会場に、参加者が店を“回遊”しながら、異性と出会う。街や商店街などを巻き込んだ、いわゆる大合コンですよね。
そのころ、たまたま家族と一緒に遊園地に行きました。夜の観覧車から園内を見下ろして「ここで街コンをやれば、おもしろいかも」と思ったんですよね。その後、富山のミラージュランドに企画を持っていったところ、「すぐに始めましょう!」という話になって、2012年に開催しました。
ただ、初めてのことなので、どのくらいの人が集まるのかよく分かりませんでした。今と違って、SNSはまだそれほど一般化していなかったので、飲食店を一軒一軒回って、告知ポスターを貼らせてもらいました。汗だくで準備を進めた結果、当日は500人が参加してくれました。
初めてのイベントにもかかわらず、参加者が500人もいた。ということは、工夫次第でもっと増やせるのではないか。眠っているポテンシャルがあるのではないか。などと考え、関係者と「次、どうしようか」「こういう企画を加えると、もっと面白くなるのでは」といった話で盛り上がりました。
土肥: 参加者は入場時に色付きのリストバンドと、半分に破かれたトランプを受け取りますよね。会場では無料のアルコールやソフトドリンクが配られるので、参加者は飲み物を手にしながら「まだか、まだか」とそわそわしていました(笑)。しばらくして、ステージ上のMCが「乾杯!」と叫び、合コンがスタートするわけですが、その後もいろいろな仕掛けを凝らしていますよね。
例えば、入場時に配られるリストバンドは7色あって、相手が同じ色だと声をかけやすくしたり、入場時に配られる半分のトランプの“ペア”を持つ異性を見つけると、アトラクションを優先的に乗れるファストパス券を手にできたり。さらに、ステージで女性が好みの男性のタイプを叫び、条件に合う男性が手を挙げてアピールしていました。このほかにも、さまざまな演出や企画を行っていましたが、始めた当初はどんな感じだったのでしょうか?
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