“イベント時だけ”大混雑する駅、どう対応している? 千駄ヶ谷・水道橋・九段下などを調査:鉄道の「雑学」(3/4 ページ)
平常時は閑散としているが、イベントになると大混雑する駅が複数ある。それらの駅はどのように対応しているのか?足を運んでみると、意外な特徴が見えてきた。
出口の分散で混雑を回避する九段下駅
オフィス街の中心にありながら大規模イベントを開催できる会場といえば、日本武道館が有名だ。武道の大会や国の式典に加え、コンサート会場としても幅広く利用されている。
日本武道館へのアクセスに最も便利なのが、九段下駅である。東京メトロ東西線・半蔵門線、そして都営新宿線が乗り入れており、複数路線からのアクセスが可能だ。
実際に九段下駅を訪れると、日本武道館へのルートを案内する表示が随所に見られる。地下鉄駅ではあるものの、都営新宿線と東京メトロ半蔵門線の境界をなくす構造変更や改札位置の移設により、地下駅ながら広々とした空間が確保されている。
出口方面へ向かうと、広い階段と上り・下りのエスカレーターが並ぶ。しかし、地上近くになると上りエスカレーターと比較的狭い階段のみとなり、一般的な地下鉄の出口と同じ構造になる。
武道館へ向かう際に多くの人が利用するのは、「2番出口」だ。日本武道館の公式Webサイトでは、九段下駅の混雑時は4番出口を利用するよう呼び掛けている。そして、帰りは歩道橋を渡り、1番または3番出口が便利であることが書かれている。駅周辺の複数の出口を使い分けることで、混雑を分散させる意図があると読み取れる。
幸い、日本武道館の収容人数は約1万4000人。コンサートや式典ではステージ設営などで座席が減るため、実際の来場者数は1万人前後となる。東京ドームのように5万人規模の観客が一度に駅へ押し寄せることはなく、九段下駅は武道館のキャパシティによって救われている面が大きい。
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