【今すぐ使えるプロンプト紹介】生成AIを使って「新規事業」や「投資」を計画する方法(1/2 ページ)
新規事業や投資計画などの案を考えたいけれど、社内に相談できる社員がいない……。そんなときは、生成AIをブレインストーミングの相手にしてアイデアを練ることができます。
この記事は、『面倒な仕事が一瞬で片付く 生成AIタスク爆速大全』(宮崎学著、かんき出版)に掲載された内容に、かんき出版による加筆と、ITmedia ビジネスオンラインによる編集を加えて転載したものです(無断転載禁止)。
新規事業や投資計画などの案を考えたいけれど、社内に相談できる社員がいない……。そんなときは、生成AIをブレインストーミングの相手にしてアイデアを練れます。
電通勤務や海外でのベンチャーキャピタリストなどを経て現在はDXコンサルティング事業を展開する宮崎学氏に、生成AIに効率よくアウトプットをさせるための指示のコツについて解説してもらいます。
【プロンプト紹介】新規事業に関する“壁打ち”をする方法
中小企業の経営者や経営企画室の社員は、常に「新しいビジネスを始めたいけれど、どんな市場が有望か」「どんなビジネスモデルが適切か」といったことを考えています。一方で、社内には相談できる相手も、適切なアドバイスをしてくれる人もいないことが珍しくありません。
そんなときは、生成AIがブレインストーミングの相棒になり、議論を手助けします。生成AIに情報収集や競合分析の下準備をしてもらいましょう。
【プロンプト例】
# 指示文
当社は現在、以下の顧客向けにコンサルティング事業を展開しています。
- 大手銀行の新規事業開発部
- 大手菓子会社のデジタルマーケティング部
さらなる成長を目指し、アンゾフの成長マトリクスを用いて、新規事業戦略をいくつか企画し、#提示項目 に沿って提案してください。 最後に、4つの方向性から最も有望な戦略を選び、その理由と短中期の計画を示してください。
# 提示項目
- ビジネスモデルと収益化方法
- 競合優位性・差別化ポイント
- 必要なリソース・投資
- 収益性見通し
- リスク・課題と対策
- 具体的なアクション
プロンプト作成時のポイント(1)ビジネスフレームワークを用いよう
ここでは、「アンゾフの成長マトリクス」(新規事業や成長戦略を4つのカテゴリで整理するフレームワーク)を用いて整理するプロンプトを作成しました。
他にも、「3C分析」や「4P分析」など、ビジネスフレームワークを活用して生成AIを使用すると、整理されたアウトプットが回答されやすいです。ビジネスフレームワークを知らない方は、「どんなフレームワークがいいか?」というところから生成AIに聞いてみましょう。
プロンプト作成時のポイント(2)複数の選択肢の提示と評価をさせてみよう
生成AIは、複数のアイデアを出すだけではなく、出した企画の中からベストなものが何か評価するところまでこなしてくれます。
事例のように、選択肢を考えてもらうだけではなく、評価軸を作り、その評価軸の下でどの選択肢がいいか検討をしてもらいましょう。
【実行結果のイメージ】
新規事業戦略提案(アンゾフの成長マトリクス活用)
アンゾフの成長マトリクスを用い、当社のコンサルティング事業の成長戦略として、以下の4つの方向性を検討します。
市場浸透(既存市場 × 既存サービス)
市場開拓(新規市場 × 既存サービス)
新製品開発(既存市場 × 新規サービス)
多角化(新規市場 × 新規サービス)
-
(1) 市場浸透:金融・菓子業界向けDX支援の強化
ビジネスモデルと収益化方法
既存の銀行・菓子会社向けコンサルティングを深掘りし、DX支援を強化
サブスクリプション型のDXツール提供(BIツール、マーケティングオートメーション)
競合優位性・差別化ポイント
業界特化型のコンサルティング+DXツール提供
企業内データを活用した個別最適ソリューション
必要なリソース・投資
データアナリスト・エンジニアの採用
BIツール開発・導入支援のためのシステム構築
収益性見通し
既存顧客との継続契約増加により短期的な収益向上が可能
DXツールのサブスク収益により安定収益化
リスク・課題と対策
既存競合との差別化(→業界特化型の強みを訴求)
DXツールの導入ハードル(→導入サポートの充実)
具体的なアクション
既存顧客に対するDX戦略提案の強化
BIツールのトライアル提供
パートナー企業との連携強化
(以下略)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
Geminiを業務で使いこなす! Google Cloudが指南する「プロンプト入力」4つのポイントは?
GoogleのAI「Gemini」を業務で使いこなすには──? Google Cloudの担当者がレクチャーした。
野村が捨てた「資産3億円未満」を狙え SMBC×SBIが狙う“新興富裕層”の正体
SMBC×SBIが、「Olive Infinite(オリーブ インフィニット)」というデジタル富裕層向けサービスを開始した。野村證券をはじめとする大手証券会社が切った「1億〜3億円層」に商機があるという。
なぜ日本企業のDXは失敗続き? BCGが指摘する“ITを知らなすぎる”経営者の責任
DXの“押し付け”がハラスメントに!? クレディセゾンのデジタル人材育成を成功に導いた「三層構造」とは
昨今は人材獲得に苦戦する企業が多く、文系人材をリスキリングなどで育成し、デジタル人材に育てようとする動きが活発化しているが、クレディセゾンのCDOは「『トランスフォーメーションハラスメント』には要注意だ」と警鐘を鳴らす。「トランスフォーメーションハラスメント」とはどんなものなのか。DX時代の人材育成の本質とは何か。
日本人はなぜこれほどまでに「学ばない」のか 背景にある7つのバイアス
学びの習慣があまりにも低い日本の就業者の心理をより詳細に分析すると、学びから遠ざかる「ラーニング・バイアス(偏った意識)」が7つ明らかになった。日本人はなぜこれほどまでに「学ばない」のか。
