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好決算で「17%」急落、ANYCOLORは本当に失速したのか? “夢”追うカバーとの決定的な分岐(1/5 ページ)
好決算にもかかわらず株価が急落したANYCOLOR。成長鈍化を理由にした市場の評価は妥当なのか。本稿ではカバーとの収益構造・人員効率・投資戦略を比較し、VTuber業界における「成長」と「安定」の本質を読み解く。
筆者プロフィール:古田拓也 株式会社X Capital 1級FP技能士
FP技能士センター正会員。中央大学卒業後、フィンテックスタートアップにて金融商品取引業者の設立や事業会社向けサービス構築を手がけたのち、広告DX会社を創業。サム・アルトマン氏創立のWorld財団における日本コミュニティスペシャリストを経てX Capital株式会社へ参画。
12月11日、VTuber事務所大手「にじさんじ」を運営するANYCOLOR(東京都港区)の株価が17%超も急落した。12月10日に発表された決算は、売上高263億円(前年同期比51.8%増)、営業利益110億円(同63.8%増)という、常識的に見れば「驚異的な好決算」であったにもかかわらずだ。
好決算とはいえ、ANYCOLORは第2四半期から成長率が鈍化していた。これを理由に、市場は同社の成長神話が崩壊したとみなし、売りを浴びせた格好だ。
しかし市場の反応だけを見て「ANYCOLORの経営が危うい」と断じるのは、いささか近視眼的ではないか。冷静に財務諸表を読み解けば、成長鈍化という懸念を補って余りある、同社の盤石な収益構造が浮かび上がるからだ。
本稿では、VTuber事務所「ホロライブ」を運営するライバル企業カバー(東京都港区)や、伝統的な芸能事務所と比べて、ANYCOLORの収益モデルがどのように違うのか分析したい。
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