「AI上司」だけでは部下は育たない 成長のカギは人間上司の「意味付け」スキルにあり(2/6 ページ)
AI時代に突入し、人間以外の存在が人を能動的に評価できるようになった。この変化は、マネジャーの役割をどう変えるのか。そして、私たちはそれにどう向き合えばいいのか。
7割が「不満あり」 人事評価の根深い課題
人事評価への不満の声は根深い。パーソルキャリアが運営する「Job総研」の調査によれば、人事評価に不満を持つ人は約7割に達する。そして評価への不満を理由に転職を考えた経験がある人も65%を超え、そのうち半数以上が実際に転職している。
評価一つで人が辞める。それぐらい、マネジャーにとってもメンバーにとっても、評価は大きな意味を持っている。不満の内容は「評価基準が不透明」「上司の主観に左右される」「努力が報われない」など。これらはいずれも、AIの力で改善できる可能性がある領域だ。
AI評価、海外では8割超が支持
こうした不満を背景に、海外ではAI評価への支持が広がっている。米Gartnerが2024年10月に約3500人の従業員を対象に実施した調査によると、87%の従業員が「アルゴリズムの方がマネジャーより公平なフィードバックを与えられる」と考えているという。
日本ではどうか。パーソルキャリアの同調査によれば、全体の69%が評価者にAIより「上司」を希望し、51%がAIによる人事評価について「不安あり」と回答している。不安の理由は「誤った解釈をされる」「努力や工夫が評価されない」「偏ったデータに左右される」などだ。
一方で、AIによる評価に期待が持たれている分野もある。同調査では「公平で客観的な判断」が48%で最多となり、次いで「上司の主観を減らす」が46%、「成果を正確に可視化」が36%となった。
日本では評価者に「上司」を希望する割合が7割近い。しかし、裏を返せば、AI評価を支持する声もすでに3割を超えているということだ。なおかつ、約半数がAIによる「公平で客観的な判断」に期待を寄せている。海外で87%がAIを支持する現状を踏まえれば、日本でもこの流れが加速する可能性は高い。
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