なぜ、ハーゲンダッツは「12月でも売り上げが落ちない」のか? 41年続く”冬の女王”の販売戦略(2/3 ページ)
なぜ、ハーゲンダッツは冬でも売れ続けるのか? 冬にも強い販売戦略を聞いた。
定番品と期間限定品の狙い
ハーゲンダッツの強みのひとつが、定番品と期間限定品での商品訴求だ。
ミニカップの「定番品」は現在8種類。人気ベスト3は「バニラ」「ストロベリー」「グリーンティー」の順だ。筆者は2004年に同社を取材したが、当時のベスト3も同じ顔触れで、首位のバニラは不動。2位と3位が逆だった。
時には新たな定番品の投入も行う。11月18日から「ガナッシュショコラ」を販売している。
「それまでの定番品『ショコラ デュオ』と差し替える形で発売しました。今回は『チョコレートの軸となる商品にしたい』という思いで開発。アイスの中央には、密度感がありながらも、なめらかな食感の濃密ガナッシュを入れています。1個の中で飽きさせないチョコレートアイスクリームとなるよう、試行錯誤しながら仕上げました」
一方の「期間限定品」には季節を意識したフレーバーも。現在発売中の商品ではミニカップ「クランチアーモンドキャラメル」があり、来年で25周年となるクリスピーサンドは「タルトタタン〜カラメリゼ林檎のタルト〜」が発売中だ。バーでは「ザッハトルテ」を投入した。
「『タルトタタン〜カラメリゼ林檎のタルト〜』は素材の酸味を感じるカラメリゼ(砂糖などに熱を加えて、独特の香ばしさとほろ苦い風味、褐色を生み出す調理法)したりんご果肉を使い、カラメルバターアイスクリームを用いてりんご系洋菓子らしい味わいに仕上げました。『ザッハトルテ』は2021年にも販売しましたが、内側はパリパリ、外側はやわらかな2層のチョココーティング。本場オーストリアのザッハトルテを意識した商品です」
消費者の関心や期待感を高め、ロングセラーブランドの鮮度を保つ取り組みだ。
近年は “ながら食べ”をする人も多い
昭和時代のアイスは、子どものおやつが中心で、小学生が小銭をにぎりしめて駄菓子屋で買う光景も多かった。そんな時代にハーゲンダッツは東京・青山にハーゲンダッツ専門店をオープンし、1984年に日本上陸を果たした。大人の行列が話題を呼び、やがて高級アイスの代名詞となった。
アイスクリームが大人の嗜好品に変わったのは、各メーカーの創意工夫と流通の戦略もあった。今では「冬アイス」という言葉も浸透し、暖房の効いた部屋で楽しむのも一般的だ。夏はさっぱりした氷菓が売れるが、冬は嗜好も変わり濃厚さを好む人も増える。
ハーゲンダッツが消費者に身近な存在となったのは、販路の変化も大きい。
「私が入社した時はまだショップ(ハーゲンダッツ専門店)での販売も多くありましたが、2013年にショップでの販売が終了。現在はスーパー、コンビニ中心の販売です。パティシエがつくる商品ではないのでプレミアム感は保ちつつ、身近な存在として訴求しています」
近年はアイスの喫食シーンも変わったといわれる。
「何かをしながら味わう“ながら食べ”が増えました。特に多いのが『スマホをいじりながら』で、ワンハンドで食べられて手も汚れないバーやクリスピーサンドのアイスも重宝されています」
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