なぜ、道玄坂のコンビニで火がついたのか 「お茶割り」が都市の一角で、若者に広がった背景:インタビュー劇場(不定期公演)(2/5 ページ)
宝酒造の「お茶割り」が都市部のコンビニで売り上げが伸びている。年配向けと思われがちな商品なのに、なぜ若者に支持されているのか。販売データと現場取材から、その意外な広がり方と背景を探った。
どのコンビニで売れているのか
土肥: RTD(Ready-to-Drinkの略。缶チューハイなどそのまま飲めるアルコール飲料)市場が伸びていますよね。2024年は前年比4.8%増の2億750万ケース(350ml×24本換算)となり、初めて2億ケースを突破しました(醸造産業新聞社調べ)。
お茶系のチューハイ市場を見ると、2024年の販売規模は前年比157.4%と、拡大しています(インテージSRI+調べ)。居酒屋のメニューを見ても、定番のレモンサワーやウイスキーハイボールのように、緑茶ハイやウーロンハイが並んでいますよね。
ところで、宝酒造のお茶割りが若者の間で広がっているそうですね。その理由をうかがう前に、まずはこのシリーズが登場した当時のことから教えていただけますか?
佃: 1980年代、首都圏を中心に居酒屋チェーンが増え始め、若者の間でチューハイが人気を集めていました。この動きを受けて、1984年に「タカラ canチューハイ」を販売したんですよね。「レモン」「プラム」など4種類のフレーバーを発表したところ、翌日に問い合わせの電話が殺到しまして。
想定以上の人気を受けて、1998年に「宝焼酎の烏龍茶割り」 (現在の烏龍割り) 、2004年に「TaKaRa焼酎のやわらかお茶割り」(同やわらかお茶割り)を販売しました。関東では「烏龍割り」が定着していったのですが、名古屋より西に行くと、あまり浸透していませんでした。
新幹線の駅構内の売店でよく売れていて、特に東京駅では好調でした。「長旅の前に買って、新幹線の中で飲もうか」といった人が多かったのでしょう。しかし、名古屋から西の駅では、苦戦が続いていました。
その背景に何があったのか。関東では、お茶割りに適した甲類焼酎が日常的に飲まれていたのに対し、関西では、味や香りをそのまま楽しむ本格焼酎が主流でした。そのため、西日本では「お茶割り」という飲み方が、なかなか定着しなかったんですよね。
土肥: ほー。関西出身の人間としては、お茶系のチューハイを当たり前のように飲んでいた記憶があるのですが、関東ほど根付いていなかったのですね。
佃: 発売当初、駅構内の売店やコンビニでよく売れていて、スーパーではまずまずといった具合でした。その傾向は続いていて、現在はコンビニ6割、スーパー2割、あとは酒販店などですね。
では、どこのコンビニで売れているのか。店舗別で見ると、1位は東京の「下北沢」、以下「渋谷」「新宿」「渋谷」と続き、5位に大阪の「難波」がランクインしている。6位以下は「渋谷」「渋谷」「新宿」「池袋」「渋谷」という結果ですね。(編集部注:複数の店舗が対象となっているので、同じエリア名が並んでいる)
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