「廃墟モール」はなぜ生まれたのか もう一度“にぎわい”を生み出す方法:スピン経済の歩き方(7/7 ページ)
今後「年間100万人」ペースで人口が減少していく日本。廃墟モールも増える中で、地方都市が生き残るには……。
日本は「サービス産業の国」
「外国人観光客は出ていけ!」「中国人観光客がいなくなってせいせいした」という人たちにはなかなか受け入れ難い現実だが、これからの日本は観光で経済を支えていかざるを得ない局面にある。
「観光に依存しない産業を育成すればいい」という人も多いが、日本のGDPの約7割はサービス産業が生み出していて、日本人の約7割はサービス産業に従事している。「日本はものづくりの国」というのは、トヨタ、ホンダ、ソニーといった一部企業の成功に引っ張られたイメージに過ぎず、実際の日本は「サービス産業の国」なのだ。トヨタやソニーが過去最高益を叩き出しても、日本経済がちっとも上向かないのがその証左だ。
では、なぜわれわれはこれまで「サービス産業」を軽視してしまっていたのかというと、人口が1億2000万人と、先進国では米国に次ぐ規模だったことが背景にある。
高度経済成長期から1990年代くらいまでは人口が増えていたので、国内のサービス業は大きな苦労もなく成長できた。商業施設もつくればつくるほどにぎわった。あまりに当たり前に稼げるので、飲食、小売、宿泊などが「日本を支える基幹産業」というイメージが定着しなかったのだ。
しかし、そんなサービス産業の勢いも2000年代から急速に落ちた。日本人が急速に減っているからだ。
「年間100万人」が消える内需依存型のサービス産業に支えられたこの国で、地方自治体が生き残っていくには何をすべきかは明らかである。
「商業施設で街のにぎわい」から「観光施設で街のにぎわい」というマインドセットに、変えなくてはいけない時代にきているのではないか。
窪田順生氏のプロフィール:
テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経て現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌へ寄稿する傍ら、報道対策アドバイザーとしても活動。これまで300件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行う。窪田順生のYouTube『地下メンタリーチャンネル』
近著に愛国報道の問題点を検証した『「愛国」という名の亡国論 「日本人すごい」が日本をダメにする』(さくら舎)。このほか、本連載の人気記事をまとめた『バカ売れ法則大全』(共著/SBクリエイティブ)、『スピンドクター "モミ消しのプロ"が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)など。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
「廃虚アウトレット」の乱立、なぜ起こる? 絶好調なモールの裏で、二極化が進むワケ
業績を大きく伸ばすアウトレットがある一方で、ほとんど人も来ず、空きテナントだらけのアウトレットが増えている。その原因は何なのか?
「イオンモール」10年後はどうなる? 空き店舗が増える中で、気になる「3つ」の新モール
かつて「街のにぎわいの中心地」ともいわれたイオンモールでも、近年は「安泰」ではない状況になっている。少子化が進む日本で大型ショッピングセンターが生き残る鍵は――。
ドンキは本当に最強なのか? 地方スーパーが突きつける“一強多弱”の限界
国内外で快進撃を続けるドンキに異変か。圧倒的な現場主義で拡大を続ける一方、地方発スーパーが「超本社主義」で成長を遂げ、王者の牙城を脅かし始めている。
衰退するシャープは「日本そのもの」か “世界の亀山モデル”が失敗パターンにハマった理由
シャープが、テレビ向け大型液晶パネルの生産を2024年9月末で終了すると発表した。同社はまるで「世界の変化に対応できず」衰退していく「日本そのもの」のようだ。なぜかというと……。


