ファミマのクレーンゲーム戦略をどう見るか 「あそべるコンビニ」がそっと映し出す、厳しい現実(4/4 ページ)
ファミリーマートが進めるクレーンゲーム設置は、「あそべるコンビニ」という新しさで注目を集める。一方で、その試みは差別化が難しくなったコンビニ業界の厳しい競争環境も静かに映し出している。
ファミマのクレーンゲームに「展望」はあるのか
「同質化」という側面から見ると、コンビニ大手3社の中では、むしろ「ローソン」のほうが、より積極的に「差別化」を図ろうとしている。
クレーンゲームに加え、駐車場にRVパークを設ける取り組みや、書店・薬局とのコラボレーションなど、「コンビニ+α」を打ち出す施策が目立つのだ。そういえば、コンビニの中に調理マシンを用意して、作りたての飲食物を提供する試みも、ローソンが始めている。
しかし、それが差別化ではなくなるのも、もはや時間の問題だろう。こうした特徴的な試みも、大手3社の間で次第に似通っていく可能性が高いからだ。
そうなると、結局、コンビニは「数」や「立地」の勝負になってしまう。でも、それに限界があることは見てきた通り。最終的に、業界全体で首を絞めあう結果になるかもしれない。
この点から見ると、ファミマのクレーンゲーム設置のニュースは、楽しげな話題の裏側に、厳しいコンビニ市場の現状も映し出しているのだ。
著者プロフィール・谷頭和希(たにがしら かずき)
都市ジャーナリスト・チェーンストア研究家。チェーンストアやテーマパーク、都市再開発などの「現在の都市」をテーマとした記事・取材などを精力的に行う。「いま」からのアプローチだけでなく、「むかし」も踏まえた都市の考察・批評に定評がある。著書に『ドンキにはなぜペンギンがいるのか』他。現在、東洋経済オンラインや現代ビジネスなど、さまざまなメディア・雑誌にて記事・取材を手掛ける。講演やメディア露出も多く、メディア出演に「めざまし8」(フジテレビ)や「Abema Prime」(Abema TV)、「STEP ONE」(J-WAVE)がある。また、文芸評論家の三宅香帆とのポッドキャスト「こんな本、どうですか?」はMBSラジオポッドキャストにて配信されている。
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