インタビュー
新卒40万円、中堅はいくら? 初任給引き上げが突きつける課題(3/5 ページ)
「初任給40万円」が現実味を帯びる中、企業は人材獲得競争で大胆な賃上げに踏み切っている。一方で賃金逆転や制度のひずみも顕在化。各社の対応策から、初任給引き上げが企業経営に突きつける課題を探る。
月例給アップで不安を払拭する企業も
人材獲得競争への危機感から「安定」を軸に据えた企業もある。大和ハウス工業(大阪市)は、2025年4月から初任給を従来の25万円から35万円へと引き上げ、同時に正社員約1万6000人を対象とした平均昇給額9万2945円(昇給率23.5%)という大規模なベースアップも実施した。
こうした引き上げを実行できるのは、売上高5兆円超という強固な財務基盤があるからこそだ。
同社は、業績に左右されにくい「月例給(基本給)」の比率を大きく引き上げた。物価上昇が続く中、「企業の前進は先ず従業員の生活環境の確立に直結する」という社是に基づき、特に若手・中堅層の生活の安定を優先した形だ。「若手・中堅層には、安心して個々の能力を発揮し、生産性向上に取り組んでもらうことを期待している」(広報担当者)
建設業界は長時間労働や業績変動への懸念から、若手に避けられる傾向もあったが、月例給を厚くすることで「安心して働ける大手」というポジションを明確化し、採用ブランドの再構築につなげている。
営業職ではエントリーから選考に進む割合が増加するなど、初任給の引き上げが応募者の志望度を高める一定の効果を発揮しているという。キャリア採用においても「待遇面」を理由とした辞退が減少傾向にあり、処遇の改善が意思決定を後押ししている。
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