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牛角はなぜ「焼肉食堂」を増やすのか フードコートで焼肉が日常になる、2つの背景(3/4 ページ)

焼肉チェーン「牛角」がフードコートを中心に展開する「牛角焼肉食堂」が拡大している。物価高で二極化する焼肉業界の中で、焼肉を日常食へと引き寄せる戦略と、その合理性、今後の課題を読み解く。

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フードコートとの相性の良さ

 牛角焼肉定食が「フードコート」を中心に出店していることは述べた通りだが、焼肉定食がフードコートに集まる最大の理由は、焼肉が苦手とする「席」と「時間」のコストを、施設側に外注できるからだ。

 フルサービスの焼肉店は、設備費や人件費などが重くのしかかる。ところがフードコートでは席は共有で、店は客席を抱えない。また、通常の焼肉店では客はどうしても長居になりやすく、回転率が落ちる。しかし、フードコートでは回転率はほとんど問題にならず、厨房の効率化がより重要になる。コストを下げて日常食を目指す焼肉定食と、フードコートへの出店はよく噛(か)み合うのだ。


看板商品の「上カルビ焼き定食」(1408円、出典:コロワイド、以下同)

 ショッピングモールには、もう1つ大きな特性がある。そこに集まるのは「好みが割れた集団」だということだ。家族で買い物に来る。子どもは甘いものが食べたいが、大人はしっかり食べたい。こうした場面はよく目にするところだが、フードコートの場合はそれぞれの好みで食べ物を選べるので、焼肉も選ばれやすい。家族全員で焼肉店に行くにはちょっと……という人々の一部でも、焼肉を食べる機会を増やすことができるのだ。

 また、個人的に焼肉はフードコートにおいて「広告」になれるとも思う。匂いが強く、目立つからだ。看板や写真より先に、匂いが届く。フードコートにふらっとやってきたお客さんが、「ちょっと焼肉でも食べるか」という気分になりやすくなるのではないだろうか。結果として、「焼肉を食べる」ことが選択肢として浮上しやすくなる。

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