“良かれと思った施策”が裏目に バブルを生き延びた「べっぷ駅市場」で何が起きたのか?(4/6 ページ)
半世紀以上に渡って地元住民や観光客に親しまれ、昭和の面影を残す「べっぷ駅市場」。日本一長い高架下商店街はどのようにして生まれたのか、なぜ生まれ変わらなければならなかったのか。
集客力アップの施策が裏目に
21世紀に入り駅北側の街区が生まれ変わる中、2012年には南側にある「べっぷ駅市場」と「BIS南館」に大きな転機が訪れた。BIS南館の核であり、駅市場に隣接する総合スーパー「ダイエー別府店」が閉店したのだ。
ダイエー別府店は、福岡市に本社を置く地場大手スーパー「渕上丸栄別府店」として1967年に開店。社名変更に伴い「ユニード別府店」と改名したのちダイエー傘下となり、ユニードダイエー別府店を経て1994年にダイエー別府店となった。かつてのダイエーといえば多層型の総合スーパーが多かったが、ダイエー別府店は高架下ゆえ1階のみ。細長い敷地に衣食住全ての売り場が並んでいることが特徴だった。
ダイエー別府店の跡地には2013年に「マルミヤストア別府駅店」が出店した。マルミヤストアは大分県南部に本社を置き、海鮮の新鮮さで人気を集める地場スーパーだ。同店の出店に合わせてマイカー客の利便性を図るべく、マルミヤストア前のかつてダイエー売り場の一部だった場所に平面駐車場が増設された。
しかし、べっぷ駅市場にはこの利便性を図るための改装が裏目に出た。駐車場ができるまでスーパー部分とべっぷ駅市場は小さな横断歩道のみで隔てられていたのだが、その間に大きな平面駐車場ができたため、徒歩客のスーパーから駅市場へのアクセシビリティーが低下してしまったのだ。マルミヤストア出店後、スーパーの南出口から駅市場までは駐車場内を歩いて2分ほど。しかし、徒歩客にとって「車が行き交う暗い駐車場」は大きなバリアだ。
駅市場にはダイエーから移転出店したテナントがあった一方で、スーパーから歩いて駐車場を横切り駅市場まで向かう客は以前より減ってしまったと思われる。これ以降、駅市場は新規出店があっても店舗が定着しづらい状況が続くようになった。
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