名古屋市で「テクノロジーの祭典」が開催 大村知事「“製造業×AI”でイノベーションを」
名古屋市でテクノロジーの祭典「TechGALA Japan 2026」を開催中だ。囲み取材に応じた大村秀章・愛知県知事は「国内外のプレイヤーが愛知・名古屋に集結しました。互いのエネルギーを融合させ、世界を驚かせるイノベーションを、この地から発信することを期待しています」と期待を寄せた。
中部経済連合会、名古屋大学、愛知県、名古屋市、浜松市などが構成する「Central Japan Startup Ecosystem Consortium」は1月27〜29日、名古屋市でテクノロジーの祭典「TechGALA Japan 2026」を開催中だ。2025年に続き、今回で2回目の開催となる。
同祭典は国内外の経営者、研究者、投資家、行政のリーダーが一堂に会するイベントで、モビリティ、宇宙、マテリアル、ライフサイエンス、AI、ディープテックなど、日本の成長戦略と直結する領域について議論を交わす。今回の参加者数はすでに前年を超える6000人弱で、出展社数も前年の倍となる250社以上となる見込みだという。
囲み取材に応じた大村秀章・愛知県知事は「国内外のプレイヤーが愛知・名古屋に集結しました。互いのエネルギーを融合させ、世界を驚かせるイノベーションを、この地から発信することを期待しています」と期待を寄せた。
「製造業×AI」でイノベーション創出へ 大村知事が語る狙い
同祭典の総合プロデューサーを務める奥田浩美さんは「中部地区は豊かな精神性と人が介在するものづくりが息づいてきた街。そんな街だからこそ、テクノロジーを心から語れる場をつくりたいと思い、祭典をプロデュースしてきました」と狙いを話す。
「地球上のいろんな課題を解決しつつ、テクノロジーの在り方はどんな形がいいのか探っていきたいと思っています」(奥田さん)
名古屋市では2024年10月、イノベーション創出の中核施設として「STATION Ai」が誕生した。同施設はソフトバンク子会社のSTATION Aiが運営している。
大村知事にSTATION Aiの現状を聞くと「オープンから1年数カ月で入居するスタートアップが650社、パートナー企業は360社を超えました。1000社以上が日々交流し、累計1700本に迫るイベントを通じてイノベーションを生み出しています」と胸を張る。
「愛知県における製造業の出荷額は58兆円を超えています。2位の静岡県と第3位の大阪府が19兆円台なので、3倍もあり、現在も過去最高を更新しています。なぜ伸びるかというと、企業が設備投資をしているから。(愛知県が)日本経済の成長エンジンとなっています。これをさらに伸ばしていくためには、やはりスタートアップが必要です。愛知県が持つ製造業の力に、デジタルやAIを掛け合わせていく。このTechGALAも、その目玉にできればと考えています」(大村知事)
初日の27日には、スポーツブランドNIKEで未来を洞察するフューチャーリスト(未来学者)を務めるモニカ・ビエルスカイト(Monika Bielskyte)さんが基調講演を実施した。未来を単に予測するのではなく、望ましい物語(ナラティブ)として描き出すことの重要性を強調。会場に集まった経営者らに向けて、次世代のビジネス創出へのヒントを提示した。
同祭典では米国の総合イベントを運営するSXSWでChief Commercial Officerを務めるピーター・ルイス(Peter Lewis)さんを始めとした海外の経営者や有識者の他、ノーベル物理学賞を受賞した名古屋大学の天野浩教授やスタートアップ経営者によるセッションも予定されている。製造業が集積する中部圏から世界へ向けた新たなイノベーションの発信が加速しそうだ。
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