インタビュー
AIを組織に根付かせるには? インサイダー情報検知AIを、現場の抵抗なく進められたワケ(4/5 ページ)
生成AIの導入は、多くの企業で頓挫している。しかし、大和アセットマネジメントは、LegalOn Technologiesと共同でAIシステムの開発を行い、順調に導入を進めている。その秘訣は何なのか?
検知であって、判定ではない
では、AIはインサイダー情報をどこまで判定できるのか。
開発を担当するLegalOn Technologiesの早津誠文氏は、明確に線を引く。「最終判断は人が行います。AIに判定を求めることは想定していません」
インサイダー情報の判断は、一筋縄ではいかない。金融商品取引法には「重要事実」が記載されているが、それに加えて、投資判断に著しい影響を及ぼすものも重要事実になるという「バスケット条項」もある。さらに、一定の範囲内であれば該当しないとする「軽微基準」も存在する。そのため、「ものによっては弁護士と話し合って結論を出す必要がある」と中川氏は語る。
AIの役割は、あくまでも「検知」である。取材メモの中に、業務提携や決算情報、事業譲渡など、法令に抵触する記述がないかを洗い出す。
「AIが抜け漏れなく、迅速に検知してくれるという安心感。その上で人の目で見ていくことが大事です」と中川氏は説明する。ベテランと新人で審査の質にばらつきが出ることを防ぎ、網羅性を担保するのがAIの仕事だ。
音声データの活用も視野に入れている。アナリストが企業と電話で話した内容の録音データをテキスト化し、AIで解析する試みも検討中だという。
金融庁が昨年公表したAIに関するディスカッションペーパーには、「チャレンジしないこと自体がリスクとなる局面」と書かれており、中川氏は「まずは当社から」と語る。
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