富士そば「外国人観光客お断り」は悪なのか 立ち食いそば騒動が問いかけた現実:スピン経済の歩き方(6/6 ページ)
庶民の味方である立ち食いそばに、外国人観光客が押し寄せる現象が起きている。外国人観光客お断りを示す店舗もあるが、「そば」が本当の意味でも世界に愛される日本食になるためにできることとは。
「そば」が世界で愛される日本食になるために
人は、自分に都合の悪いことほど、すぐに忘れてしまう生き物だ。日本人もこうした恥ずべき過去があったにもかかわらず、そんなことは一切なかったように、日本にやって来る外国人観光客は、常識もモラルも欠けた「バーバリアン」だとして憎悪を向けている。
日本人観光客に置き換えてみてもらいたい。異国の屋台でどんなルール、買い方、食べ方が推奨されているのかなんて知らずに、その国を観光する人などいくらでもいるではないか。
皆さんも海外旅行に行って、現地の食事を楽しみにして店に向かったら「外国人観光客お断り」「英語を話せない方の入店をお断りします」とあったらどうか。日本で外国人観光客を店から締め出すことは、われわれ自身も海外で同じような仕打ちをされても文句が言えないということだ。世界は日本を中心にまわっているわけではないのだ。
「そば」が本当の意味で、世界に愛される日本食になるためにも、立ち食いそば業界の方たちには「この近くの働く人たち」だけではなく、広い世界に目を向けていただきたい。
窪田順生氏のプロフィール:
テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経て現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌へ寄稿する傍ら、報道対策アドバイザーとしても活動。これまで300件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行う。窪田順生のYouTube『地下メンタリーチャンネル』
近著に愛国報道の問題点を検証した『「愛国」という名の亡国論 「日本人すごい」が日本をダメにする』(さくら舎)。このほか、本連載の人気記事をまとめた『バカ売れ法則大全』(共著/SBクリエイティブ)、『スピンドクター "モミ消しのプロ"が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)など。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受
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