なぜロッテリアは消え、ドムドムは残ったのか ハンバーガー市場で分かれた2つの道(5/6 ページ)
飽和するハンバーガー市場で、中小チェーンの戦略が二極化している。ブランドと物語を守り、コアファンの支持で生き残るドムドム。一方、ロッテリアはゼッテリアへ転換し、効率重視の道を選んだ。対照的な2社の選択から、外食業界の現在地を読み解く。
名前を捨てるゼッテリア
一方でゼッテリアは、ロッテリアという名前を「捨てる」。
ロッテリアは2026年3月末をもって国内の全店を閉店し、閉店後は順次「ゼッテリア」に転換する予定だという。2025年12月末時点でロッテリアは106店舗、ゼッテリアは172店舗であり、すでにその数はゼッテリアのほうが上回っている。
そもそもロッテリアはゼンショーHDに買収されたわけだが、このグループは、現在の日本において最大級の外食コングロマリットといえる。コングロマリットとは、業種の異なる複数の企業が買収や合併(M&A)によって、一つの巨大グループを形成することだ。ゼンショーHDの傘下には「すき家」「ココス」「はま寿司」、そして「ロッテリア」など、いわゆる「外食チェーン」のありとあらゆる業態が含まれている。
なぜ、コングロマリット化が進むのか。一つには、チェーン同士の物流やオペレーションを一元化し、低コストで運営を可能にするためだ。その分、削減コストを価格に反映させるなどして、集客につなげる。
ハンバーガー市場に限らず、特に外食では材料費・人件費・燃料費の値上げなどが大きな負担としてのしかかっている。こうした中で、特に中小企業が生き残る術の一つは、このコングロマリット化の流れに乗ることである。
すでに「ロッテリア」の消滅に対して、ファンからは惜しむ声も上がっている。ドムドムバーガーのような「ファン」層も、確かにいるわけだ。ただ、あくまでもゼンショーHD、およびロッテリア側としては運営の効率化(つまり、コングロマリット化を円滑に進めること)のために店名を変えるのだ。
その意味では、ゼッテリアの誕生は「コアファンを重視する」方向ではなく、「経営の効率化」を進めるという姿勢がよく現れているといえるだろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
「廃虚アウトレット」の乱立、なぜ起こる? 絶好調なモールの裏で、二極化が進むワケ
業績を大きく伸ばすアウトレットがある一方で、ほとんど人も来ず、空きテナントだらけのアウトレットが増えている。その原因は何なのか?
丸亀製麺は“讃岐うどん”の看板を下ろしたほうがいい、これだけの理由
またまた炎上した。丸亀製麺が讃岐うどんの本場・丸亀市と全く関係がないことである。このネタは何度も繰り返しているが、運営元のトリドールホールディングスはどのように考えているのだろうか。筆者の窪田氏は「讃岐うどんの看板を下ろしたほうがいい」という。なぜなら……。
バーガーキングがまたやらかした なぜマクドナルドを“イジる”のか
バーガーキングがまたやらからしている。広告を使って、マクドナルドをイジっているのだ。過去をさかのぼると、バーガーキングは絶対王者マックを何度もイジっているわけだが、なぜこのような行動をとるのか。海外に目を向けても同じようなことをしていて……。
「いきなり!ステーキ」はどこへ向かうのか 焼き台をなくした新店舗に、創業者ポスターがなかった理由
焼き台をなくした「いきなり!ステーキ」の新店舗を訪ねると、席は広く、肉はオーブン焼き、そして創業者のポスターがない。変わったこと、変えなかったこと、その境目で社長が何を考えているのか。
「イオンモール」10年後はどうなる? 空き店舗が増える中で、気になる「3つ」の新モール
かつて「街のにぎわいの中心地」ともいわれたイオンモールでも、近年は「安泰」ではない状況になっている。少子化が進む日本で大型ショッピングセンターが生き残る鍵は――。

