なぜロッテリアは消え、ドムドムは残ったのか ハンバーガー市場で分かれた2つの道(6/6 ページ)
飽和するハンバーガー市場で、中小チェーンの戦略が二極化している。ブランドと物語を守り、コアファンの支持で生き残るドムドム。一方、ロッテリアはゼッテリアへ転換し、効率重視の道を選んだ。対照的な2社の選択から、外食業界の現在地を読み解く。
2つに分かれる生き残り方
飽和したバーガー市場で、中小のチェーンが取る道は大きく2つに分かれるのではないか。
1つは、ブランド名と物語を守り、コアファン層の熱を生かして生き残ること。ドムドムは現在、それを目指している。
もう1つは、コングロマリットの一員として組み込まれることで、経営効率を重視すること。ゼッテリアがそうである。
ある意味、ドムドムバーガーとゼッテリアは、この2つの戦略が典型的に表れているといえる。もちろん、どちらが優れている、といった話ではない。
実際、それぞれの戦略には弱みもある。ドムドムの場合、スガキヤなどと連携した経営の効率化を進めてはいくものの、「コアファン層」以外への訴求を具体的にどのように進められるのか、見通しは不透明だ。
ゼッテリアは逆に、これまで「ロッテリアなら行っていたけど……」というファンが店から離れ、戻ってこないかもしれない。ネット上では、変更されたメニューに対する失望の声も見られる。
それぞれのブランド改革は始まったばかりで、これらがどう転ぶかは分からない。両社ともうまく成功するかもしれないし、2つとも失敗するかもしれない。
いずれにしても、市場の過密化が進むほど、これまでとは異なる戦い方が求められることは確かである。その中で、この2社がどのような戦いを進めていくのか、注目していきたい。
著者プロフィール・谷頭和希(たにがしら かずき)
都市ジャーナリスト・チェーンストア研究家。チェーンストアやテーマパーク、都市再開発などの「現在の都市」をテーマとした記事・取材などを精力的に行う。「いま」からのアプローチだけでなく、「むかし」も踏まえた都市の考察・批評に定評がある。著書に『ドンキにはなぜペンギンがいるのか』他。現在、東洋経済オンラインや現代ビジネスなど、さまざまなメディア・雑誌にて記事・取材を手掛ける。講演やメディア露出も多く、メディア出演に「めざまし8」(フジテレビ)や「Abema Prime」(Abema TV)、「STEP ONE」(J-WAVE)がある。また、文芸評論家の三宅香帆とのポッドキャスト「こんな本、どうですか?」はMBSラジオポッドキャストにて配信されている。
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