Xに対抗するSNS「W」とは何か 広がる“米国依存”のリスクと現実:世界を読み解くニュース・サロン(2/4 ページ)
日本人が日常的に使うデジタルサービスの多くを米国企業が提供している。欧州では、米国依存から抜け出すため、「X」に対抗する新たなSNSが発表された。日本でも現実に目を向け、国産回帰を含めてデジタルサービスの在り方を議論すべきだろう。
新しいソーシャルメディア「W」とは?
Wは、XやFacebookのようなプラットフォームに「居心地の悪さ」を感じている人々のための、欧州発の新しいソーシャルメディア・プラットフォームという触れ込みだ。現在開発が進んでおり、ベータ版の参加手続きが3月に始まる。2026年末までには一般公開される予定となっている。
欧州では、国家やユーザーが米国企業のテクノロジーへの依存から脱却を目指しているようだ。米eBayでチーフ・プライバシー・オフィサーを務めていたドイツ人女性、アンナ・ツァイター氏が設立したWは、「We Don't Have Time」というスウェーデン企業の子会社で、現在、北欧の民間投資家を中心に約15カ国から750人以上が参画している。
Wという名称は「We(私たち)」を意味する。加えて、報道などで重要な情報となる「5W(Who、What、When、Where、Why)」も象徴している。さらに、「W」という文字は2つの「V」の組み合わせでもあり、これは「Values(価値観)」と「Verified(検証済み)」を意味しているという。
Wは、虚偽情報を拡散するボットのアカウントを減らすために、人間による認証(本人確認)を必須とする。また、ユーザーは自身のデータが、どこでどのように使用(転用)されるかをより厳格に監視できるようになり、プラットフォーム自体も欧州の厳しい一般データ保護規則(GDPR)などに従うことになる。
ツァイター氏は、Xのようなプラットフォームが組織的な偽情報を野放しにし、それが「公共の信頼を損ない、民主的意思決定を弱体化させている」と述べている。「私たちの使命は、質の高いジャーナリズム、開かれた議論、実在する人間を重視するプラットフォームを作ることだ」(ツァイター氏)
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