日中緊張で「4社に1社」が受注減懸念 製造業に広がるチャイナリスク(2/2 ページ)
日中関係の緊張が企業活動に影を落とし始めた。東京商工リサーチの調査では、4社に1社が受注減を懸念。製造業を中心に影響が拡大し、中国依存見直しの動きも加速している。ビジネス環境は転換点を迎えつつある。
業種別で「悪影響」が目立つ分野
「すでに受注が減少」「今後受注が減りそう」と回答した企業を業種別に見ると、最も高かったのは「鉄鋼業」(55.0%)である。次いで「宿泊業」(52.4%)、「運輸に付帯するサービス業」(50.0%)が続いた。4位は「金属製品製造業」(48.6%)、5位は「輸送用機械器具製造業」(48.3%)で、製造業が7業種(前回は3業種)ランクインした。
前回61.9%でトップだった「宿泊業」は52.3%に低下したものの、依然として高水準にある。
企業の対応策、「中国依存の低減」が最多
日中関係の緊張感の高まりを受け、対策を講じる予定があるかを尋ねたところ、最も多かったのは「調達面の中国依存の低減」で32.4%(781社、前回32.4%)だった。次いで「中国への渡航自粛」が26.5%(639社、前回30.4%)、「販売面での中国依存の低減」が13.6%(329社、前回13.65%)と続いた。
大企業と中小企業を比較すると、「調達依存の低減」は大企業が中小企業を3.3ポイント上回った。一方、「渡航自粛」は大企業が中小企業を5.8ポイント下回った。
その他の回答としては、「何もしない」のほか、「在庫の確保」「新たな販路開拓」などが挙がった。
自民党は1月21日、衆院選の政権公約で「中国とは開かれた対話を通じ、建設的かつ安定的な関係構築を目指す」とする一方、「挑発的な行為には冷静かつ毅然と対応する」との姿勢を示した。東京商工リサーチは「膠着状態が続く日中関係のもと、日中ビジネスへの悪影響は徐々に広がっている。高市政権には難しい舵取りが求められる。企業側でも中国依存の見直しが加速し、『チャイナリスク』への対応が今後の大きな焦点となる可能性がある」と分析している。
調査は、資本金1億円以上を大企業、1億円未満(個人企業などを含む)を中小企業と定義し、1月30日〜2月6日にインターネットで実施した。有効回答は4839社。本調査は2025年12月1〜8日(有効回答5645社)に続き、2回目。
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