Amazonの相次ぐ「リアル店舗撤退」が示す 「PoC→いつの間にか撤退」を繰り返す日本企業との"仕組みの差": がっかりしないDX 小売業の新時代(5/6 ページ)
「Amazon Books」(2015年開業、2022年閉鎖)、「Amazon Style」(2022年開業、2023年閉鎖)の撤退に続き、レジなし店舗「Amazon Go」の撤退も発表したAmazon。一見失敗のように見えるこれらの動きの裏で、Amazonは、着実に、小売事業の拡大を見据えています。
「いつの間にか撤退」 日本小売のPoC事情
翻って日本の状況を見てみましょう。
Amazon Goが話題になって以降、日本でも「レジレス」「無人店舗」への関心は高まりました。しかし筆者が現場で観察してきた限り、多くのPoCと新規事業が技術の本質を見誤っています。
象徴的だったのは横浜のCATCH&GO(参考)です。NTTデータとダイエーが手掛けたウォークスルー型店舗で、技術自体は良くできていました。
筆者は5回ほど訪れましたが、いつ行っても利用者をほとんど見かけませんでした。原因は明確です。専用アプリのダウンロードと登録が必要で、既存のスーパーマーケットの買い物客にとってはハードルが高すぎたことと、隣接するスーパーの品ぞろえの一部を持ってきているだけなので、よほど混む時間以外はアプリを登録してまで使うニーズがなかったことです。
横浜のCATCH&GOに関して閉店の公式発表はなく、SNSによると、2025年2月に閉鎖した模様です。
JR東日本とサインポストの合弁会社が提供するTTG-SENSEは、アプリ不要で、AIカメラや重量センサーを活用して客の購買行動を追跡しています。客によるスキャン作業が不要で、Suicaユーザーに便利な設計となっており、駅など不特定多数の人が行き来する場所に向いています。
参考:セブンもファミマも取り組む「無人コンビニ」はなぜ、普及しないのか 実際に行って分かった「限界」
利用ハードルの調整は技術の問題ではなく、事業設計の問題です。しかし日本の多くのPoCでは「技術が動くかどうか」の検証に終始し、「顧客が使いたくなるかどうか」の検証に至っていないことが多いのです。
もう一つの問題は、JWOの本質の見誤りです。日本では「レジをなくす=人件費削減」という文脈でしか語られないことが多い傾向があります。コンテナ型無人店舗が自動販売機の延長でしかないのと同様、コスト削減だけを目的にしたレジレスは技術の本質を捉えていません。
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