寿司屋が焼肉店をオープン? 絶不調の焼肉業態に、進出を決めたワケ:長浜淳之介のトレンドアンテナ(2/7 ページ)
すし業態の魚べいが、焼肉店「うま勝」をオープンした。焼肉店の閉店が相次ぐ中、あえて参入した狙いは何なのか?
ゲンキGDCの成長戦略
うま勝オープン2日前の1月26日、記者発表会・試食会が栃木市内の同店で開催された。
ゲンキGDCの藤尾益造代表取締役社長執行役員は、「関東には、大阪によくあるような普段使いできる大衆焼肉店がとても少ない。弊社発祥の地であり、ファンが多い栃木から、うま勝を広げていきたい」と力強く述べた。
藤尾社長は大学生の頃、単価2000円ほどの大衆焼肉店に頻繁に行っていたそうだ。慣れ親しんだ大衆焼肉が東京をはじめ関東に根付いていないのを、昔から残念に思っていたという。
「うま勝の構想を社員に提案したところ、『気軽に行ける大衆焼肉? 何ですか、それ』と、どんなお店なのかピンと来ていないようだった。そのため、関西に社員を連れて行き、実際に大阪や神戸の大衆焼肉を体験してもらった」(藤尾社長)
今では社員たちも納得し、大阪の大衆的な町焼肉にほれ込んでいる。
藤尾氏は2017年にゲンキGDCの前身である元気寿司の取締役に就任し、2025年4月に社長となった。社長就任後に焼肉業態の開発に着手し、今回のうま勝オープンに至った。
藤尾氏は焼肉のみならず、新業態の開発に熱心に取り組んでいる。2025年10月には、日本で展開する魚べいと、元々のメインブランドで現在は海外ブランドとして展開している元気寿司を融合。インバウンド向けの「GENKI SUSHI×魚べい」という新たな業態を東京・上野に出店している。
また、今年2月13日にはオーストラリアで寿司レストラン「Sushi Sushi」を約180店舗展開するFood Odyssey(フード・オデッセイ)を買収し、着々と事業を拡大させている。
2025年11月には、国産サーモンの陸上養殖に本格的に取り組むと表明。4月に設立する農業法人でコメを生産と、川上への進出にも積極的だ。
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