寿司屋が焼肉店をオープン? 絶不調の焼肉業態に、進出を決めたワケ:長浜淳之介のトレンドアンテナ(5/7 ページ)
すし業態の魚べいが、焼肉店「うま勝」をオープンした。焼肉店の閉店が相次ぐ中、あえて参入した狙いは何なのか?
栃木市に1号店をオープンしたワケ
ゲンキGDCは1968年に回転寿司「元禄寿司」のフランチャイジー(加盟店)として栃木県宇都宮市で創業。その後、1990年に元禄寿司から独立し、元気寿司に改称した。2009年から魚べいを展開し始めたが、2011年の東日本大震災による計画停電の影響で、回転寿司のベルトコンベアーが回せない事態に陥った。その際、オーダー式で営業したところ好評だったことから、オールオーダー式の「回転しない寿司」に転換した。
地元の栃木県民はゲンキGDCの歩みを長年にわたり見てきたからこそ、同社を身近な外食企業と捉えている。新業態のうま勝を栃木からスタートしたのは、このようなゲンキGDCと栃木県民との間の空気感があったからだろう。
今回オープンしたうま勝の物件は、もともと牛角の店舗だった。しかし、フランチャイズのオーナーが高齢であり、後継者もいなかったことから撤退したという。焼肉業界では、牛肉輸入自由化の時代に店舗経営を始めたオーナーが高齢となり、円安による輸入肉の価格高騰や人手不足の逆風の影響も受けて閉店してしまうケースも少なくない。
牛角という有名店の後に魚べいが展開する焼肉店が出店するという噂が立ち、オープン前の工事中にも多くの人が店舗を見に来ていたそうだ。地元の栃木で開店前から注目されていたこともあり、うま勝はオープン以降、順調に客足を伸ばしている。
牛角の居抜きではあるものの大幅な改装を行い、モダンな雰囲気を一新。下町風の大衆焼肉の雰囲気を出すために、木の温もりや落ち着いた照明を強調。レトロなポスターを貼るなど、昭和感を演出した内装となっている。
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